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ダチョウ抗体とインサイダー
第二波、第三波となかなか終息までの道筋をつけられない新型コロナウイルスですが、この新型コロナウイルスに対抗してくれる救世主になると噂されるのがダチョウ抗体です。その先陣を切るかのように、ダチョウ抗体を含んだリップマスクの発売が発表され、ダチョウ倶楽部が商品の説明会に登場するなど、話題を集めました。これにより、商品を製造する会社と提携しているクレアホールディングス(1757)の株価が跳ね上がり、コロナ前に比べて10倍ほどにも増える事態となりました。この一連の動きで、インサイダー取引、風説の流布といった良からぬうわさが出てきています。
ダチョウ騒動やそれに関する動き
元々クレアホールディングスは不動産業、太陽光発電などを中心とした持ち株会社でしたが、最近になり、多角的な経営を行うようになっています。その中の1つがダチョウ抗体でした。クレアホールディングスの子会社にあたるクレア株式会社では、ダチョウ抗体を配合したリップマスクを考案した株式会社ジールコスメティックスと、リップマスクの商品販売についての売買に関する契約を交わしました。
投資家の中では1株あたりの値段が安い銘柄としてある種話題を集めていたクレアホールディングスの株価ですが、当初は1株あたり20円ほどでした。それが、売買契約を結んだあたりから高騰を見せ、一時187円にまで跳ね上がり9倍以上となっています。今まで保有していた株が9倍の価値を見せるとなれば、これまでクレアの株式を大量に保有していた側からすればこんなにうれしいことはありません。クレアの大株主として筆頭株主にもなっていたMTキャピタルマネジメント(小田祐次社長)やオリオン1号投資有限責任組合(岡本武之社長)、そして株式会社SEED(猪俣秀明代表取締役)、松林 克美氏らはこの時期に売買を繰り返しており、この期間で筆頭株主がコロコロと変わっています。
最近になってリップマスクに関する話題が出てきましたが、当初すぐにその情報が出なかったため、株価もその後は落ち着きを見せています。それでもコロナ前に比べれば3倍前後に位置しており、一連の動きで時価総額はかなり増えたことになります。
明らかなインサイダー取引?
一連の動きで目まぐるしく筆頭株主が変わったことがきっかけになったのかどうかはわかりませんが、証券取引等監視委員会から要請があり、クレアホールディングスの社外取締役などは第三者による調査を依頼しました。実際に調査を行った結果、クレアホールディングスの株に関して、どうやらインサイダー取引の可能性が見られるのではないかという報告がもたらされます。
インサイダー取引は株価に大きな影響を与える重要事実を、会社の職員、関係者情報受領者がそれが伝わる前に売買を行うことを対象にしています。オリオン1号投資有限責任組合でトップを担う岡本武之氏は以前から株式会社ジールコスメティックスの社長と関係性がありました。のちにこのジールコスメティックスの社長をクレアの取締役候補にしようとするなど、このあたりが疑問視されます。
岡本武之氏はクレアホールディングスでアドバイザリー契約を結んでおり、何かと口出しができたポジションにいます。その人物がクレアの株を持ち、クレアの経営に口出しをし、挙句、知り合いの会社と取引するように求めれば、インサイダー取引があったのではないかと疑われても仕方ありません。クレアの株価が上がったのは、ジールコスメティックスと契約をしてからで、6月から8月にかけて、オリオンなど2社は株式売買を頻繁に行っています。これらのことがインサイダーではないかと思われている部分です。
風説の流布もあった?
インサイダー取引でも十分ダークグレー、ブラックを思わせるほどですが、インサイダー取引だけでなく風説の流布もあったのではないかと指摘されています。風説の流布は、株価を動かすためにウソの情報を流すことを指します。例のダチョウ抗体を配合したリップマスクでは、株式会社パースジャパンにその販売を依頼、その際に契約を結んでいます。ところが、いつまで経っても販売のめどが立ちません。クレアはジールコスメティックスから購入し、手元にたくさんのリップマスクがあります。ところが、これがさばけないわけです。この契約が発表されると再び株価は上がりますが、販売に時間がかかります。一連の行為そのものが風説の流布だったのではないかと疑われています。
ダチョウ抗体を配合したリップマスクを巡り、ジールコスメティックスとクレアを結びつけた岡本氏らの株式売買が明らかに怪しく、パースジャパンの窓口として岡本氏が機能するなど、株価を簡単に動かせる存在だった可能性が高いです。このようなやり方が認められれば、どの会社でも株価を上げることは可能です。今後どのような動きを見せていくのかはかなり注目されるでしょう。
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関連銘柄:
創建エース(1757)
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