Twitterで連日フォロワーにお金を配っていることでもおなじみの「前澤友作」氏は、日本最大の衣料品通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を創設したことで有名ですが、一方でその弟、「前澤周平」氏はこれまでメディアに登場する機会は限られていました。ところが、その「周平」氏が注目を集めるかもしれません。東証二部企業「クレアホールディングス」(証券コード:1757)をめぐって、その動向が注目されているからです。
クレアホールディングスの経営陣を一掃するべきだと株主から臨時株主総会の招集を求め、その先陣にオリオン1号投資事業有限責任組合が経ちました。このオリオン1号投資事業有限責任組合の資本は8割ほどをスペース投資事業組合が確保していますが、この組合に9割以上の出資を行っているのが「周平」氏です。いわばオリオン1号投資事業有限責任組合の実質的なオーナーという見方ができます。
ちなみにオリオンの残りを持つのは、セノーテキャピタル社長の岡本武之氏で、この岡本氏がかなり暗躍しています。
- 掲示板で暴露される周平氏の存在
今年2月ぐらいにインターネットの書き込みで、「周平」氏がクレアの社長になるのではないかという書き込みがありました。なぜ前澤周平がいきなりクレアの社長になるのか、投資家からすればちんぷんかんぷんです。オリオンの実質的なオーナーは「周平」氏である事実は、この時点で一部の人間しか知りません。
掲示板での「周平」氏を匂わせる書き込みはまだありましたが、これを裏付けるようにニュースサイトでその存在が紹介されると、期待感もあって株価は一気に上昇、ついには200円近くまで上昇を見せます。一方、「周平」氏がクレアの社長に就任した事実は当然なく、取締役候補になることもありませんでした。そして、臨時株主総会で株主側が提案した取締役候補にも出てきません。
- オリオンの怪しげな動き
2020年に入り、「企業再生M&A」を目的に掲げ、順張り再生株案件としてお金集めをしているという報告がSECになされます。順張りはトレンドに合わせて売買するやり方で、「企業再生M&A」においては、クレアの株価はいずれ100円から300円までになると離されていました。
この「企業再生M&A」こそが、「中小企業ホールディングスプロジェクト」と関係しており、MTキャピタルマネジメントとオリオンがこれを主導しています。第三者割当増資の際には投資として引き受けたと語っていますが、少なくともこれらの動きを見る限りではかなり怪しさがあります。
- 順張り再生株案件が実現したら
もし、臨時株主総会で株主側の提案がすべて通れば、「周平」氏が社長になるか、岡本氏が実権を握るかのいずれかになります。順張り再生株案件は実行に移されるのはもちろん、また掲示板を使って投資かを誘導しようとするはずです。株主側の提案は議決権行使に関する企業からも酷評されており、実現させても思ったような成果を得られない公算が大です。そうなると、いかに株価を上げることしか考えていないかという話になります。
「周平」氏がどんなポジションに就くのか、ジョーカーとしての機能は果たせるのか、注目が集まります。