【ソフトバンクの理論株価の計算、おかしくないか?】
なんで「有利子負債」と「被支配株主持ち分」が企業価値から引いてないんだろう?これでは株主価値・理論株価をかさ上げすることになる。
「・・・これと4年後以降のFCF合計の現在価値(6兆3351億円)を足した事業価値を算出。手元資金を加えて「株主価値」を試算した。」と説明してあるが、事業価値に手元資金(財産価値)を加えたら、「株主価値」ではなく「企業価値」になるはず。その企業価値から「有利子負債」と「非支配株主持分」を差し引いてはじめて「株主価値」となる。
この日経の記事はエンタープライズDCF法で計算しているが、ざっくり計算するなら定率成長モデルでもっと簡単に計算できる。遠い未来まで考えた場合、事業が成熟してきて減価償却費と新規投資が毎年同じ、運転資金も変化しないという前提で、予想一株利益EPSをキャシュフローと見なすと、株価P=EPS/(r-g)でざっくりと計算できる。株主資本コストをr=8%として、2021年3月期の予想EPS=105.5円、成長率g=0.05%(日本経済の潜在成長率程度)と仮定すると、P=105.5/(0.08-0.005)=1,406円となり、現在の株価とほぼ同じ水準となる。
以下、2020年8月25日付日本経済新聞からの引用。
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以下、2020年8月25日付日本経済新聞からの引用。
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「同社の3年後までのFCFの現在価値は純利益の中期目標に減価償却費を足し、運転資本の増加額や支払利息、設備投資などを引いた値を資本コストで割り引いて求めた。21年3月期で4154億円、22年3月期で3940億円、23年3月期で3745億円だ。これと4年後以降のFCF合計の現在価値(6兆3351億円)を足した事業価値を算出。手元資金を加えて「株主価値」を試算した。割り引く際に使う資本コストは5.9%とした。
この株主価値を発行済み株式数で割った理論株価は1802円だった。8月24日の同社株の終値1480.5円を上回った。足元の株価は2018年12月の上場時の公開価格(1500円)近辺で推移しており、乖離(かいり)が大きい。」
ソフトバンクの市場評価、理論株価に届かぬ2つの事情https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62970750U0A820C2000000/?fbclid=IwAR1X3i2j3eegCMNECDKCidkbGb6BntbMODYKByHwj5fm9lC71miDe4Whrbc
ソフトバンクの市場評価、理論株価に届かぬ2つの事情https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62970750U0A820C2000000/?fbclid=IwAR1X3i2j3eegCMNECDKCidkbGb6BntbMODYKByHwj5fm9lC71miDe4Whrbc