株価サイクル2(反発初動から着実な上昇を目指す)の局面

優利加さん
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昨日の米国株式相場は小幅高となった(DJIA +33.33 @23,537.68, NASDAQ +139.18 @8,532.86)。ドル円為替レートは107円台後半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなったが、株価指数は大きく上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,063に対して、下落銘柄数は1,034となった。騰落レシオは114.92%。東証1部の売買代金は2兆6104億円。

TOPIX +20 @1,443
日経平均 +607円 @19,897円

米トランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染拡大により打撃を受けた経済活動を段階的に再開すると発表した。CMEの米株価指数も時間外取引で上げた。これを受けて短期筋が先物市場で買戻しを急いだため、日経平均は大幅上昇した。ファーストリテイリング1銘柄だけで日経平均を108円押し上げた。他方、緊急事態宣言の対象が全国に拡大されたことで、外出自粛などの経済活動の停滞が広範囲で起こるのは確実である。この懸念から内需関連株の多くは売られた。

日本政府はコロナ対策として国民一人当たり一律1万円を給付することを決定した。総額12兆円超の財源は赤字国債の発行である。理屈で言えば、長期金利が上昇するはずであるが、ほとんど上げていない。既に1000兆円を超える政府の債務残高があるので、市場は12兆円の追加くらいは誤差の内と見ているのだろう。円建てで発行している限り、日本国債が債務不履行を起こすことはあり得ない。

日経平均の日足チャートを見ると、3月25日の戻り高値@19,564円を完全に上抜けしてきた。10日移動平均線は上向きで、且つ、株価はその上で推移している。さらに、25日移動平均線もやや上向きに転じてきた。株価サイクル2(反発初動から着実な上昇を目指す:「生涯現役の株式トレード技術 海図編、210ページ)の局面となった。ただ、本日の続伸は短期筋の買戻しが中心であり、持続的な上昇のためには中長期投資家が本腰を入れて買う必要がある。そのためには企業業績の悪化が止まったと確信できなければならない。それはもう少し先、数カ月から半年くらい、先だろう。もしそうなったとして、まだ安心はできない。ほぼ確実に感染流行のぶり返しがおこるからだ。

33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、非鉄金属(3位)、鉄鋼(4位)、精密機器(5位)となった。

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