「相場の見方」と「相場のやり方」の連動

優利加さん
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昨日の米国株式相場は大きく下げた(DJIA -445.51 @23,504.35, NASDAQ -122.56 @8,393.18)。ドル円為替レートは107円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かったが、株価指数は下げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,587に対して、下落銘柄数は534となった。騰落レシオは106.15%。東証1部の売買代金は2兆2102億円。

TOPIX -12 @1,422
日経平均 -260 @19,290円

米国の景気指標の記録的悪化や米銀行の減益決算を嫌気して米国株は大きく下げた。原油先物相場が一時18年ぶりの安値圏まで下げた。米国の基幹産業である石油関連企業の業績が悪化すると、債務返済が滞る可能性が高まる。これを受けて、本日の主力日本株の多くも売られ、日経平均は一時、400円安に迫った。工場や店舗の休止が相次ぎ、不良債権が今後増加するとの見通しから日本でも銀行株が売られた。ただ、日銀によるETF買いが期待され、下値を売り込む動きは限られた。小型株の多くが買われて上昇銘柄数は下落銘柄数の3倍ほどあったが、主力大型株が下げたので日経平均やTOPIXなどの株価指数は下げた。

取引終了後に、政府がこれまで7道府県だった緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大すると報道された。経済活動をさらに圧迫するのは間違いないが、株価にどのように影響を与えるかは未知数数である。まだ相場に織り込まれていなければ下がるが、既に織り込まれていれば、あく抜け感から株価は上がる場合があるからだ。

日経平均の日足チャートを見ると、今日は下げたが上下にひげを引いた寄引同事線であり、売り買いの圧力が拮抗している。皆が恐怖に慄いていると、長い陰線で下げるが、今日の下げはこれに該当しない。

どんな方法で過去から今日までの株価を緻密に分析しても明日以降の株価の動きを正確に予想することは不可能である。もし、それができると豪語する人がいたら、その人は間違いなく、詐欺師か誇大妄想狂か、或いは新興宗教の教祖である。相手にしないのが賢明である。ただ、少し先を知る手がかりがまったくないのかといえばそうでもない。10日移動平均線と25日移動平均線の傾きがどちらを向いているか、そして株価がその上にあるのか下にあるのか、これだけでも意識していれば売りと買いの方向性で大きな間違いはしない。これに相場の背景で何が起こっているのかについての理解が加われば精度はさらに上がる。「相場の見方」につていては、これが個人トレーダーとしてできる最大限のことだと思う。しかし、実際に儲けるためには、「相場の見方」と「相場のやり方」と連動させる必要があるので、「相場の見方」だけ精度が高くてもそれだけでは不十分である。

33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、非鉄金属(3位)、空運(4位)、ゴム製品(5位)となった。

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