数年前に加藤正夫さんが亡くなった時もショックだった。
今回は小川さんだ。
NHKの囲碁番組の司会を長くやっておられて、そのころからのファンでもあった。
彼女の司会のときに、対局者の2人と解説者と司会者の小川さんの4人が偶然に木谷門下生としてそろったときがあった。
そんなのは、後にも先にもあの1回だけだったろう。
当時は内弟子制度だったから、子供のころからの付き合いなのだ。
大竹さん、趙治勲さん、小林光一さんらの随想録に内弟子時代のエピソードがでてくる。
定石の勉強の合間にチョットそれを読むのが楽しみだった。
プロはどれだけすごいか!・・・・・のエピソード
ある時、小川さんがアマチュア何十人を相手に多面打ちをした。
多面打ちとは、強い人が複数の相手を同時に相手をすることを言う。
たとえばアマチュア20人が横一列に並んで座って、プロが一手打って隣の人の碁盤でまた一手打つ。打たれた人が考え込んでいても関係なく隣の碁盤でまた一手打っていく。20番目のひとまでいったら、最初に戻ってまた一手打っていく。その繰り返しなのだ。
それに参加していたぼくの友達が・・・・イタズラ心で・・・・
数手まえに打った自分の黒石をそっと動かしてみた。
小川さんは、何も言わずに動かされた石を元に戻して、平然と一手打っていった。
友達は強いほうだったから、彼女の印象に残っていたのか、それにしても驚きだ。