今年をふりかえると

12月21日の日経平均は、20166.19で、226.39と大きく下落。日足は主な移動平均線、一目均衡表の基準線、転換線、雲の下限を下抜けていて、下値のめどを失っている。週足も13,26,52週線を下抜け、一目均衡表の基準線、転換線、雲の下限を下抜けていて、下値のめどを失っている。月足は基準線20279を割り込んだところで、この攻防ということになるが、これを割り込んでくれば、遅行線が日々線とぶつかる19000あたりー2016年12月のトランプラリーの起点ーが次のめどになろう。(ただしトピックスはすでに基準線を大きく割り込み、遅行線と遅行線が日々線とぶつかる水準の攻防にはいりつつある。)


2018年も終わりに近づき株式相場も大きな下げを経験し重大な転換点を迎えたようにみえる。今年は当初から下降リスクに注目してきたが今年を振りかえってどの指標が最も的確にの下げを予兆していたか、分析してみたい。取り上げる対象は日経平均とTOPIX、週足と月足としたい。分析の手法は移動平均線、一目均衡表、パラボリック、ボリンジャーバンド、MACDである。


まず日経平均。週足の移動平均線(13週、26週)をローソク足がきってきたのは、10月第3週で、13週が26週とデッドクロスしたのは12月に入ってから。一目均衡表の基準線をローソク足が切ったのは、10月第2週。転換線が基準線をした抜けたのは12月第1週。パラボリックが下降転換したのは10月第2週。MACDがシグナルを下抜けたのは10月第2週で、ゼロラインを切ったのが10月第3週。ボリンジャーのマイナスσを下に抜けたのが10月第4週。これからみると、一目の基準線、パラボリック、MACDのシグナル下抜けが中期的には的確な予兆であったことがわかる。


翻って日経平均の月足をみると、12か月をわったのが、10月。12か月移動平均がピークをつけたのも、10月。一目終値で基準線を割ったのも10月。MACDは10月にシグナルを切っている。一方パラボリックはようやく11月に下降転換。ボリンジャーは11月にようやくプラスσを切ってきている。いずれも、当然週足より遅く、パラボリック、ボリンジャーは月足ではあまりに反応が遅すぎる。しかし、月足MACDをみると、2018年1月にピークをつけ、2月にシグナルを切ってきており、10月に株価は高値をつけたものの、MACDはシグナルを一時上回ったが、ピークよりはるかに低い水準で、シグナルは下降基調であったことがわかる。

いまからみると、日経平均の10月高値は、相場全体の動きをあらわすTOPIXから乖離していた一時的な現象であったが、日経平均月足MACDの動きは、10月高値のエネルギーが脆弱であることを表していたことがわかる。長期的な投資を考えるのであれば、月足のMACDがピークをうち、シグナルを下抜けてきた時点で下降リスクに備えるのが賢明であろう。


次にTOPIXだが、13週は8月に26週、52週を下抜けており、ローソク足は10月に一旦上に振れたが、13週線は上に戻らず、そのあと明確な下降に転じた。一目の転換線は3月に基準線を下抜け、その後10月にも基準線を上に抜けることなく、10月には雲の下限を突破して下降に転じている。パラボリックは1月から上昇下降を繰り返し、10月第2週には下降に転換している。MACDは1月にピークをつけ、ゼロラインをはさんで上下していたが、10月第2週にマイナスに転じている。ボリンジャーもマイナスシグマを下抜けたのは10月第2週。日経平均と比べると、移動平均線と転換線、基準線の動きが明確に違っている。いすれも10月の上昇への反応が鈍く早くから下降トレンド入りを示唆。特に転換線の基準線抜けは3月で、最も早い。


翻ってTOPIXの月足をみると、5月から12か月を割り込んでおり、10月からは12か月かピークをうって下降。一目で基準線をわったのは、11月。ボリンジャーも11月にプラスσを割っている。一方パラボリックは1月から下降。MACDは1月に高値をつけ、2月にシグナルをきり下降、10月にもシグナルを上抜けずに下降している。MACDはもっと明確に、1月に高値をつけて、下降局面にはいったことを示していた。もちろん日経平均は、輸出関連銘柄が多いので、TOPIXとは違う動きをするとも考えられるが、日経平均の上げにくらべてTOPIXはおとなしい上昇で終わり、逆にTOPIXの下げに引きずられて日経平均も大きく下げることになったことをみると、相場の実勢はTOPIXが表していたとみるほうが妥当であろう。とすれば、今回の様子から見ると長期的な投資という観点からすれば、TOPIXの月足MACDやパラボリックが下降に転じれば、相場全体が下降するリスクに備えるというのが適切ではないかと思われる。


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