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ブックレビュー:ナポレオンに背いた黒い将軍
書籍名:ナポレオンに背いた黒い将軍
著者:トム・リース
定価:3600円+税
出版:白水社
本書は歴史に埋もれたフランスの英雄、
アレックス・デュマ将軍の生涯を追った、一代記。
アレックス(アレクサンドル)・デュマと言えば、
三銃士の作者を思い起こす人は多いかもしれない。
驚くべきことに、この本のデュマ将軍は、なんとその小説家の父親なのだ。
息子である作家デュマに多くの影響をおよぼした父親は、
いったいどんな男だったのだろうか?
この本を開けば、息子の作品に引けをとらぬ波乱万丈の人生があなたを惹き付けることだろう。
そして英雄と呼ばれるべき男の意外な幕引きに、あなたは何を思うだろうか。
白人と黒人のハーフとしてこの世に生を受け、
時代に翻弄されつつも軍人として駆け抜けた足跡はまさに痛快。
(それはまさにちぎっては投げ…って、さすがに誇張じゃないの?
え、記録に残されているため事実の可能性が高いって!?)
しかし運命という荒波が、ナポレオンという名の特異点が、
彼の人生を狂わせる。
いつの時代も、権力者に目を付けられたらロクなことはない。
たとえ自分が権力者に逆らうつもりはなかったとしても。
おそらく、デュマ将軍もナポレオンに歯向かうつもりはなかったのだろう。
そういった意味では、タイトルの "ナポレオンに背いた~" と言うのは大げさな気もするが、そこはご愛嬌。
いずれにしても、ヨーロッパを震撼させた男に良く思われなかったことは事実だろうから。
本書は厚く、さらに1ページ2段の構成で、
手に取った人は躊躇するかもしれない。
だとしても。
もしあなたが歴史好きなら、おすすめの一冊だ。
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