トランプ減税の影響について、割とマジメに考えてみた。
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税制改革法は10年間で1.5兆ドル(約170兆円)の大型減税を実現する。
具体的には、法人税率は35%から21%に引き下げられ、個人所得税の減税も行われる。
また、海外子会社からの配当課税も廃止となる。
この米税制改革により「企業減税で1株当たり利益は引き上げられ、
余剰資金は設備投資のほか自社株買いや増配に向かう」(市場関係者)との期待が強い。
法人税率21%、実に14%の引き下げはインパクトが大きい。
ただ、諸外国に比べると、やっと他国と同じ条件になったという程度。
(法人実効税率国際比較)財務省HP
↓
アメリカの実効税率は、40.75%がざっくり14%下がって25%くらいか。
(国税の他に、州税とか地方税が入る)
法人税率の引き下げは、利益を出している会社には朗報。
プラス要素であることは間違いないけど、
利益を出せない場合には、恩恵がない。
日本企業の中には、この減税を受けて、米国へ進出を検討する
あるいは、もう投資しているという会社も、あるのだろうけど、
投資の初期は、損の方が先行するので、減税のメリットを受けにくい。
米国の減税⇒米国進出 というような単純な行動の会社は用心した方が良い。
逆に、既に米国に進出していて、利益を獲得している会社には恩恵は大きい。
減税で、企業側、供給側の環境は良くなったが、消費者側、需要側の環境はどうか?
景気は、需要と供給の両方の交点で決まる。
幾ら供給側の環境が良くなっても、消費者が消費しなければ景気は良くならない。
それに対しては、個人の所得減税で対応している。
とはいえ、恩恵は富裕層にとどまりそう。
単純に、減税で景気が良くなるかというと……
既に景気に過熱感があって、上昇余地があまりないようなー
インフレが進むようなー とりあえず、金利上昇から始まるかも。
また、米国政府の税収の大幅減は、政府の活動の足かせになるような。
削るべきは軍事費だろうけど、思いやり予算とか、日本への要求が増えそうな。
税収を補うため、移転価格税制などで、外国企業への課税を強化するかもしれない。
アメリカファーストの恩恵は、日本など外国には及ばない。
そう考えると、米国株の上昇を素直に喜べない。
というか、悲観的な未来が見えてくる。
米国が、税収不足により、正常に政府機能を維持できなくなると、
とんでもない大混乱が、生じるんじゃないかな。
ちなみに、消費税率の国際比較を見ると、
(税の国際比較)国税庁
欧州は軒並み20%を超えていて、これは増税の積み重ねによるもの。
企業の減税⇒消費税の増収で補うの構図。
アジアの各国も今は低い税率だが、そのうち増税の波が来る。
この表にアメリカがないが、アメリカには売上税があり、0~10%の税率。
税収が減ると、今度はこっちの税率を上げるのではないか。
減税の反動は必ず来ると思う。
その時には、企業の優遇策は、国際競争の観点から、続けざるを得なく、
税を取りやすい弱小個人から、消費税という形で、増税をすすめる
というのが、国際的なトレンドなのだろう。
企業や富裕層ばかり優遇していると、そのうち革命が起きるかもね。