パラジウムの価格は2016年のはじめから上昇をつづけ、
プラチナの価格は2016年のはじめから横ばいと明暗が分かれている。
プラチナは、将来ヨーロッパで行われる自動車規制や、VWの不正のせいで
自動車(主にディーゼル)触媒の需要がへっているためだと説明されている
しかし、本当にそうだろうか?
直近のプラチナ族金属サーベイ 2017 を見てみれば、
プラチナはここ数年、自動車触媒としての需要はほぼ横ばい。減っているようには見えない。
さらに2014~2016年までは需給がバランスしていて安定している。
(もちろん、今年や来年でバランスが崩れるかもしれないが。)
※需給が安定しているからと言って、価格も安定するとは限らないのでご注意を
一方、パラジウムを見てみると、自動車触媒の需要は2009年から右肩あがり
需給もここ数年、不足つづきであり、上昇しているのも当然と思える。
つまり、プラチナの自動車需要はそのままで、
パラジウムの自動車需要は増え続けていると言える。
プラチナの需要(主にディーゼル)をパラジウム(主にガソリン車)が喰っているのかもしれない。
ともかく、
・プラチナ:需給が安定
・パラジウム:需要増
の結果、プラチナ-パラジウム価格が逆転した。(2001年以来の逆転!)
触媒として、プラチナとパラジウムはそれぞれ"ある程度"代用しあえる存在だが、
価格が逆転したからといって、急に仕入れ素材や生産ラインを替えられるわけではない。
プラチナ-パラジウム価格の逆転が長期化すれば、
代用が進み価格差にブレーキがかかることになるだろう。
なお、プラチナとパラジウムはおなじ白金系金属だが、
プラチナの方が輝きが良い
なもんで、宝飾品としてはパラジウムよりプラチナの方がよく利用される。