マイルール

[lopriderさん]

登場人物：

LOP：主人公

Q美：LOPの妻。良妻（うーん。なんか本人もネタにされているの知ってるみたいだしなあ・・・。見られたときの用心に、とにかく褒めておこう。）

「自分にとって、お金より大切なのは命だよねえ。そもそも死んじゃったら稼げないだろうし・・・。そして自分の命より大切なものはいくらでもあるしなあ。」

「たとえばワタシとか？」

「そりゃあ、もちろん。世界中で一番に大切な人だよ。」

「ウフフ、冗談だったのに。本当にアナタはサラッと言うよねえ。そいうところは昔から変わらないね。会った頃は（こいつフランス人かよ！）ってよく思ったよ。」

「（実のところあの頃の君はまあ、宇宙人の親戚ぐらいには見えていたんだけどね・・・）君は本当に変わらないねえ。いつまでも若いよねえ。（頭の中身もかなり若いし・・・。）」

「よしよし。じゃなんでタイセツな人との食事中にスマホをチラ見してるんかね？そこのキミィ。」

「センセイごめんなさい。実は6ヶ月前から狙ってた株が約定寸前なんで見ちゃってました。」

「廊下に立ってなさい。両手にバケツ持って・・・。まったく。まあ食事中だし、両手がふさがってるとムリゲーだから許してやるけど、何の株？。」

「うん。このところ爆発的に売り上げを伸ばしてきた例の薬品会社なんだけど、100％子会社なんで、やむを得なく親会社の株を買おうと。」

「ああ、前に言ってた、あの会社ね。もうとっくに買ったのかと思ってた。」

「ノーです。自分の中には絶対に変えないと決めてるルールがあってさ、何があっても売りと買いは自分じゃしないと決めてる。指値と言ってね、決めた金額になったときに機械が売ったり買ったりするようなイメージかなあ。」

「おまかせかあ、なんで？」

「そりゃ、局面で株価を見てると取引にどうしても感情が入るからねえ。自分にとって投資は博打じゃなく、研究と推論からの必然の結果を目指しているんだ。短期的には運だけど長期的にはそうじゃない、ということ。」

「で、買えたんだ。」

「そう。ワンチャンあるかと思って底値圏に網をはっておいたんだけど半年ダメでさ。決算発表の1時間前にようやく網に引っかかてくれたんだ。決算発表のあとは一気に100円あがったから、もう無理。本当にきわどかったねえ。」

「良かったねえ。でも前に売買をいちど決めたら忘れるって言ってたのに、スマホ睨んだりとか、ゼンゼン忘れられてないじゃん。オヌシまだまだ青いのう。」

「（本当だよな。お言葉通り。）うん。」