lopriderさんのブログ

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時をかける小爺

途上人物:

LOP:主人公

小爺(ショージー):タイムトラベラー的(?)。ゴミ屋敷主人。

Q美:LOPの妻。今回はミステリアスな役どころ。


「おい、起きなさい。」

「あーあ、寝ちゃってたのか。疲れてたし・・・ところでアナタは誰ですか?」

「吾輩は時を超えてやってきた時間旅行者じゃ。」

「(ふーん。どこの病院から逃げてきたんだろうなあ。)はい、わかりました。時間旅行者さん。起こしてくれてありがとうございます。」

「その考えは失礼だろう、病院とか・・・。ええっ、考えが読まれてるみたいだ。そんな馬鹿な、と言いたいんじゃないのか。」

「ええっ、考えが読まれてるみたいだ。そんな馬鹿な。」

「ハハハ。そんな馬鹿はお前さんじゃ。」

「恐れ入りました。ひよっとしてホンモノなのかなあ。だったら・・・すごいチャンスかも。とにかく・・・あのう、時間旅行者さん。エヘヘ。」

「なんじゃ。」

「来年、飛躍的に伸びる会社とかありますかねえ?例えば一部上場企業とかの中の一つか二つ程度で結構なんですが。」

「知らん。知るわけがなかろう。」

「ええっ。未来から来たのに、なぜ?」

「誰が?吾輩は過去から来た、お前さんの先祖じゃよ。」

「イヤイヤ、その設定は無理ありすぎでしょう。どうやって時間旅行できるんですか、過去の人間が。」

「ほほう!頭が固いのう。それほどならば頭で釘を打てるじゃろう。・・・吾輩は近くのゴミ捨て場で時間旅行機を拾っただけ、と言っておこうか。」

「それで納得いくわけないですけど、まあそれはそれとして、なんの目的でここに?」

「えふえっくす。」

「FX?」

「そうじゃ。お前さんがえふえっくすのための資金を用意し始めたんで、あわてて止めに来たんじゃよ。」

「ええっと?そんな本気でやろうとしたわけじゃないですよ。一応、研究対象に入れようかと思って、用意してただけなんですが・・・。」

「ダメじゃ。絶対にいかん。先祖代々の言い伝えで、えふえっくすだけはするなと代々言い伝えられているんじゃ。」

「そうなんですか・・・って、ばかばかしい。納得するわけないでしょ!」

「いやいや、古人の知恵を軽んじたら、ろくなことにならないんじゃ。とにかくやめておけ。そのかわり我が家に古来より伝わる秘伝中の秘伝、株の鑑別術を伝授するでの。」

「鑑別術って?」

「雄株と雌株を一目で見抜く方法じゃ。」

「え?それって、野菜のカブの話じゃないですよねえ?」

「お前さんというやつは・・・。そんな株式投信の初歩も知らんで投資家道をきわめんとしておったのか。まことに笑止千万、もう笑っちゃうもんねeeEE、ヒヒヒ。」

「いやあ、本当にそんなのあるんだ。すみません。改めてお願いします、どうかご指導をよろしくお願いいたします。」

「わかった・・・って、プププ、あほか。そんなのあるわけなーいじゃん。」

「ちょっ、ヒドくないですか?その言い方。」

「よいか・・・。投資家の道を行く者にとって本当に大切なのは、人の話を鵜呑みしないことなんじゃ。どれほどもっともらしく聞こえてもそこはしっかり、ちゃんと自分で考えること。人とは違う、自分だけの道を行かねば。」

「なるほど。」

「もう行かねばならん・・・。最後に言っておく。我が家の家訓じゃ。道を拓く者は道なき道を行く。お前さんが素直であることは褒めてやろう。じゃが、誰も通らぬ道にこそ宝物が残されていることを忘れるな。道なき道には・・・吾輩のようにゴミ捨て場を散歩の道にしていると時間旅行機を拾えたりするしなあ、すげえお得じゃろ?(しかしまあ、いろいろ拾いすぎて我が家はゴミ屋敷と呼ばれるようになったんじゃが・・・。)さらば。」

「(なんか妙にリアルな夢だなあ。)おーい。」

「何、どうしたの?」

「変な夢見てたよ。ご先祖さまが出てくる、みたいな。」

「ふーん。それでへんなことブツブツ言ってたんだ、寝言で。」

「やっと目が覚めたみたい。」

「違うよ。このワタシは実は夢の中の登場人物なんだよ。アナタはまだ眠っているんだからね。」

「げげっ。もう、イヤ。」

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