2日のNYダウは、原油の下落にもかかわらず、11516.92(‐26.63)と下落した。原油はハリケーングスタフの被害が比較的軽微であったことから、110ドルを割ってきた。原油下落を受けて一時ダウは上昇したものの、景気後退懸念が広がって結局下落。転換線11502基準線11496のすぐ上でなんとかとまった形で気迷い気分である。週足も転換線11347の上であるが、基準線11982ははるか上で、まだリバウンドの域にすぎず、上昇基調へ転換するには、相当な距離がある。
為替は、多少ドル安にふれている。日足の雲の下が108.04にあり、ここで押し返されている様子だが、まだ103円の基準線、107円の転換線の上であり、ドル高方向は変わらない。ただ雲で押し返され、基調が変わる可能性もあるので警戒は必要。
2日の日経平均は、前場しっかりしていたのに、後場崩れ、結局12609.47円(224.71円安)となった。為替は108-110円のレンジにとどまり、さしあたり懸念されていた円売りにはならなかったが、株のほうは先物主導で大きくさげたようだ。水準としては日足の転換線を大きく切り、なんとか保っていた8月22日安値12666円を割ってしまった。月足の雲の下限12583も瞬間割ってしまったが、なんとかその上で踏みとどまった形である。上下にひげをつけているが、下げ止まった感じではない。
リーマンなど、アメリカの金融不安やアジア通貨危機のうわさが広がり、ストップロスの水準を切ったところでヨーロッパ系の先物の猛烈な仕掛け売りがはいったという。NYが休みなので福田首相辞任に対する外国人の反応はまだはっきりしないとのことである。とはいえNYが休み、為替も大きく動いていないところで、大幅な下げがでるということは、少なくとも国内とヨーロッパには、日本株を積極的に買い向かおうという買い手は乏しいということを意味している。その意味では政情不安がやはり日本市場に相当な打撃になっているとおもわざるをえない。NYが明けると、アメリカ勢が一斉に買いごろとみて、日本株を買ってくるだろうか?多少の買戻しはあるかもしれないが、アメリカ勢も買いは手控えるのではないか。評論の中には、人気のない福田首相にかわって麻生氏が登場することを買い材料とみている向きもある。だが、ばら撒きではなく、たくましい成長路線の政策がこれから鮮明になるかどうか、そして総選挙でそれが国民に追認されるか、まださっぱりわからない。政局が安定するまでは、不透明な先行きの日本株に、貴重な資金をどんどん投じる勇気のある投資家は国内外を問わず少ないのではなかろうか。