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「月の残業212時間」

五輪「新国立」工事現場で働く新入社員自殺…「月の残業212時間」両親が労災申請
(みんかぶの、タイトル30文字規制が厳しい……)

月の残業200時間というけど、残業200時間という数字は、
とんでもない数字だということは、
実際に働いている人でないと、実感は持ちにくいかもしれない。

ちなみに、労働基準法では、週40時間を超えて労働をさせるには、
労働基準法36条に定める協定を労使で結ばなければならない。
(いわゆる、36協定)

36協定を結んでいないと休日出勤や残業すらさせられない(違法になる)。
また、36協定を結べば、休出・残業は青天井なのかというとそんなことは無い。
限度基準がある。

■一般的な企業が考慮するのは、「月の残業上限は45時間」

・1か月の稼働日数=23日(31日-土日8日)
・1日2時間×23日=46時間。だいたい平均2時間の残業で
 この枠は埋まる(休日出勤なし前提)
・45時間×12か月=540時間>年間上限360時間。

→ え?もっと働いているよーっていう人は多い。

■そこで「特別条項」、特別条項は年間6回(6か月)まで。

・45時間を超える残業をさせる場合は、労使で「特別条項」を合意する。
・特別条項は年間6回(6ヶ月)まで、それ以上は違法。
・逆に、特別条項適用により、月45時間以上残業指示できる。
 (労働法上、特別条項による残業時間に上限はない。青天井)

→ 青天井ですが、実務的には月80時間とか月100時間とか、
  年間上限720時間とか750時間とかで設定される。(労基指導もありそう)
  (100時間は過労死ラインと言われる。)

■管理職として
・部下の残業時間が、月45時間を越えそうになったら、
 事前に、「特別条項の申請書」を出して承認を受けなければならない。
 (この趣旨は、限度時間を越えない、6回を越えないのチェック)
・この手続きが結構めんどくさい。ただでさえ忙しいのに・・・
・また年間上限を超えていないかの確認も必要。
・時間管理は、システム化しないと無理。

■どれだけ残業ができるか。
・特別条項は6回までなので、適用しない月は45時間が上限。(45×6=270時間)
・適用する月は、80時間。×6=480時間
・合計で750時間=年間上限(あくまで1例)
・この辺りは労基がチェックし指導してくるところ。

■ところで、今年の動き。
・さすがに「青天井」はまずいので、上限を法制度化する動き。
 過労死ライン100時間で設定しようとして、猛反対にあい、
 80時間になりそう。
・現状、残業時間に、「法定休日」に出勤したの労働時間は含まれない。
 法定休日に、いくら働かせても限度に引っかからない状態(抜け道状態)。
 これを改め、法定休日の労働時間も限度に含める。



記事の「月の残業212時間」は、労使協定の違反にならなかったのだろうか?
今年に入って、制度を厳しくしようという動きがあるが、

従来基準でも十分アウト……だからこその申請といえる。

建設の現場は厳しいことになっているからこそ、きちんとした対応が必要だ。
4件のコメントがあります
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    カイオワさん
    2017/7/21 03:45

    夢想人さん、おはようさまです。


    ぶはっ、残業212時間ですか。 私も毎日5時間残業したことあるけど、それでも土曜日も出たとして5×25=125時間にしかなりません。


    電通社員の自殺など、事件が起きないと動かない、というのも残念です。 死人が出る前に対策を講じてほしいものです。

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    夢想人さん
    2017/7/21 07:33
    カイオワさん おはようございます。

    コメントありがとうございます。
    私も、おそらく100時間前後の残業をしたときは
    (当時時間管理がずさんで、正確な時間は不明ですが)
    かなりおかしくなりそうでした。

    今の職場もブラックで、過労死ラインを超える人も出ており、
    会社に対策を考えてほしいと要望しているような状態です。
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    montontonさん
    2017/7/21 12:30

    このクソ熱い中で外勤も含む過重労働は実際の残業時間以上に過酷なダメージだったと思います。


    しかも新人に等しい若者に難しい仕事を丸投げしているわけですから雇用者の罪は重いと思います。


    電通の場合も新入社員に仕事を丸投げして仕事ができないとケチを付けて追い込み自殺させてしまいました。

    新人が仕事ができないのは当たり前で、それを育ててできるようにするのが上司や先輩の責任だと思います。


    小生の働いていた会社では指導員制度というのがあって、入社後3年間は指導員が付いて手取り足取り仕事を教え、仮に何か問題が起こっても指導員の責任というルールができていました。


    人を育てる姿勢が必要だと思います。




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    夢想人さん
    2017/7/22 12:23
    montontonさん こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    新人に現場監督というのは、業界ではよくあることかもしれませんが
    厳しい納期設定と、上からも下からもプレッシャーがあり、
    結果として長時間労働となったという事かと思いました。

    好きな仕事なら、長時間というだけなら……と思いますが、
    長時間の裏にパワハラがあったんじゃないかと思います。

    会社は、丸投げではなく、ちゃんと面倒を見ないといけませんね。

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