唯我さんのブログ

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鉄腕アトムの国なんだから

2017.06.28(水)

 75歳以上が75歳以上を介護している割合が、約30%。
 60歳以上が60歳以上を介護している割合になると、約70%。くらっとするような数字だ。

 介護の現状は、民法877条を根拠に、嫁が介護を担うから実子が親を介護するに流れが変わり、さらに、子は仕送りはするけど介護はできないに流れは変わりつつある。
 民法877条の義務は、できる範囲の扶養義務であって、介護義務ではないからだ。

 上記の数字が表しているのは、より重い方の介護を、軽い方が担っているってことだ。
 核家族化が進み、さらに、生涯シングルが増えている。
 国の示す方向性は、自宅介護推進。これに従って、要介護2以上から使えた特別養護老人ホームは、要介護3以上からでなくては使えなくなった。

 この惨憺たる現状のなかで、日本が恵まれていると思うのは、日本に手塚治虫がいたということだ。
 先進各国のロボットに対する感情の悪さって、日本人はほとんど知らない。なんとなく知っていても、ハナシとして知っているだけで、肌で感じた人は少ないと思う。
 まじめに本当に、ロボットとは、自分たちの仕事を奪っていくものという、ネガティブイメージなのだ。

 対する日本人のロボットに対する感覚は、ある種の「友達」だ。なんといっても、鉄腕アトムの国なのだ。
 ハウステンボスには、ロボットが接客する「変なホテル」がある。お子ちゃま達に大人気なだけかと思いきや、ご年配ご一同様にも受けがよかったりする。
 手塚治虫という漫画の巨星がいて、ロボットと人間のふれあいを描いた鉄腕アトムを世に出した。
 鉄腕アトムのイメージが、日本人のロボットイメージを作り上げた。当時の世代で、アトムを知らない人はいない。
 時代が流れ、鉄腕アトムを知らない世代になっても、ロボットは友達なんだ感覚は、親から子へと引き継がれている。日本人には、ロボットは友達という、世界から見れば理解しがたい不思議な感覚がスタンダードだ。
 ロボットを友達扱いする先進国、日本という国。不思議な国。こんなふうに見られていることを、ほとんどの日本人は知らない。
 
 介護に外国人を活用するという考え方は、危ないと思う。
 今、EU圏とイスラムの対立は、経済規模の違う国の行き来がたやすくなると、国がすさむという事実を見せてくれている。

 そりゃそうだよね。月給1万円の国の人が、月給10万円の国と自由に行き来ができるとしよう。
 自由に行き来できなくても、入ってしまえばこっちのもんで、居座りやすいとしよう。
 月給10万円の国で、だれでもできる10万円の仕事を7万円でやれと言われて手を上げる人はいないが、月給1万円の国の人がそこにいたなら、喜んで! って受けちゃう。
 さらに、自国に送金するから、国の力であるお金を、流出させる。

 月給10万円の国の人たちの仕事は奪われ、賃金は切り下げられる。生活は苦しくなり、失業者が増えて、自分たちの仕事と生活を奪った月給1万円の国の人たちへ憎しみの目が行く。小競り合いが増え、治安は悪化する。
 月給10万円の国の中に、月給1万円の国から移り住んでくる人が増え、コミュニティーができる。だが、二つの国の人たちが交流していくことはない。
 外国人排斥運動が活発化し、よりワリを食う若い年代に自国ファーストの思想が強くなる。
 EUで起こっていることだよ。

 日本でも、一部起こっている。EUとは規模が違いすぎるから大事になっていないだけだ。外国人単純労働者が爆発的に増えたりすれば、同じことがおこるよね、きっと。

 幸い日本は、四方を海に囲まれている。使用言語が日本語という言語圏が小さくて習得しにくい言葉だ。使用人口が多い英語はほとんど通じないし、中国語はもっと通じない。
 たしかに、EU各国の言語も、世界規模の言語じゃないんだけど、使い方的には似ている。だから、どれか一つを習得すりゃ、他の物もわりと習得しやすい。日本語との大きな違いだ。
 言語的にもつぶしがきかない日本語をやるよりは、英語をやろう。日本に行くよりゃ、アメリカに行こうって人の方が遙かに多い。ありがたい話だ。

 わたしは、EUの轍をふまないためにも、外から人を入れることを考えるより、人手不足をロボットで補う方向に進んだ方がよいと思う。
 特に、介護に関しては、家庭用介護ロボットの普及って、目いっぱいアリだ。

 なんといっても、日本は、鉄腕アトムの国なのだ。
 ロボットは友達だという、世界から見たら特殊な日本人の感覚は、武器だと思うのだ。

 もちろん、頭脳、技術、お金をもった外国人の方々に来ていただくことは大歓迎だ。
 この人達は、月給10万円の国でも1万円の国でも、20万、50万、100万と稼ぐし、日本国内でお金を使ってくれる。
 
 差別主義者か! っていう人もいるだろう。
 わたしはただ、現実主義者なだけだ。
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