押し目戻りも窓埋めまで?

優利加さん
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昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -47.81 @21,136.23, NASDAQ -20.63 @6,275.06)。ドル円為替レートは109円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,150に対して、下落銘柄数は693となった。騰落レシオは115.91%。東証1部の売買代金は2兆3239億円。

TOPIX +1 @1,597
日経平均 +5円 @19,985円

TOPIXも日経平均も僅かに反発した。朝方の売りが一巡すると、押し目買いがじわりと拡大した。日銀によるETF買いの期待などが投資家心理を支えた。午後に入ると日経平均は節目の2万円を上回る場面もあった。円相場が一時1ドル=109円台前半まで円高方向に振れてもなお下げ渋った。6月1日と2日に空いた日経平均の「窓」がザラ場でほぼ埋められた。売り先行で始まったものの、下限である6月1日高値の1万9887円を目前に下げ渋った。押し目も戻りも窓埋めまでとなる場合が多い。一方、英総選挙など海外の重要な政治日程を控え、全体に上値は重かった。

6月8日にはトランプ米政権とロシアとの関係をめぐる「ロシアゲート」疑惑で、トランプ大統領にFBI長官を解任されたコミー氏の議会証言が予定されている。トランプ氏による司法妨害があったとの証言があれば、トランプ氏への支持率は一段と低下する可能性があり、弾劾にも結びつきかねない。外国為替市場で円相場は円高・ドル安に反応しそうだ。

6月8日の英国の総選挙では、メイ首相がEUからの離脱交渉を着実に進めるためには、与党の保守党が圧勝する必要があるが、最近の世論調査では逆風が吹いている。保守党が敗北すればもちろんのこと、辛勝であっても、離脱交渉は困難さが増すとみられる。選挙結果次第では英ポンドが売られ、安全通貨の円が買われる可能性がある。

6月13~14日のFOMCで利上げを決めるのはほぼ確実だとしても、その後の利上げペースは緩やかにとどまるとの観測が強まっている。日米金利差が拡大しないから、円安は進みにくい。

ファンダメンタルズ面からは良好なデータが確認できる。財務省が6月1日に発表した1~3月期の法人企業統計では、企業収益が極めて好調だった。全産業ベースの売上高経常利益率は季節調整済みで6.0%(16年10~12月期=6.0%)と1985年の統計開始以来の最高水準を維持した。特に製造業の利益率は7.7%(同7.0%)へ上昇し、最高を更新した。非製造業の利益率も5.3%(同5.6%)と高水準を保った。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、非鉄金属(2位)、証券(3位)、鉄鋼(4位)、パルプ・紙(5位)となった。
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