「江戸っ子は熱い湯を好む」というが、
東京の銭湯では1991年まで都条例で湯温42度以上と決められていた。
熱いので水を入れると、常連客から「ぬるくなる。うめるな。」と怒られたものだ。
高温の湯につかると、脳内麻薬のβ-エンドルフィンが分泌されるとの研究がある。
陶酔感や多幸感を味わえるので、つい限度を超えてしまうらしい。
つかりすぎるとやけどを負うこともあるが熱い湯の弊害はそれだけではない。
「脳卒中や心筋梗塞などの血栓症が発生しやすくなる。」
入浴時は利尿ホルモンの分泌が増え尿が膀胱に溜まっていく。
脱水症状が進むので血液が濃くなる。
熱い湯に入ると発汗でさらに血液の粘度が増す。
健康な成人8人に3分間、47度のお湯に入浴してもらい血液を調べたところ、
血を固める血小板の働きが活発になることが分かった。
血小板から「偽足」と呼ばれる突起が出て血管壁や別の血小板とくっつきやすくなったほか、
血小板が血液凝固物質のフィブリノーゲンを放出し、さらに固まりやすくなっていた。
血液中には血栓を溶かす物質が存在するが、47度の湯に入ると、
この物質の働きを阻害するPAI-1という物質が増えることも判明した。
今日は私は温めの長湯にしようと思って水を出していたら一名の客に怒られた。