トランプの「通貨安誘導」批判を跳ね除けた

優利加さん
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昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA -107.04 @19,864.09, NASDAQ +1.07 @5,614.79)。トランプ大米国大統領の日本は円安誘導操作を行っているとの批判を受けて、円は買われドル円為替レートは113円台前半での推移。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,162に対して、下落銘柄数は694となった。騰落レシオは98.35%。東証1部の売買代金は2兆5281億円。

TOPIX +6 @1,528
日経平均 +107円 @19,148円

トランプ米大統領が日本を「通貨安に誘導している」と批判し、朝方に円相場が1ドル=112円台まで円高・ドル安が進んだが、TOPIXも日経平均も反発した。午前の日経平均の下げ幅は100円を超える場面があった。ただし、円高進行が一服すると幅広い銘柄に買いが戻った。発表が本格化している主力企業の2016年4~12月期決算では業績回復への期待が強まっている。円高に対する不安と企業業績に対する期待の綱引きが続く相場展開がしばらく続きそうだ。2月1日に発表された「QUICKコンセンサスDI」(アナリストが業績予想を上方修正した銘柄の割合から、下方修正した割合を引いて算出する)は全産業ベースでプラス23となり、前月のプラス16から7ポイント改善した。さらに、1月31日までに16年10~12月期決算を発表した458社(金融除く)の純利益は前年同期比で31%増加した(日本経済新聞の集計)。増益は6四半期ぶりである。

米金利は相対的に高い状況が続き本来は、ドル高・円安が続くのが自然である。しかし、トランプ大統領の円安牽制発言が出たので、ドルを安易に買えなくなった。かといって、米景気の強さを踏まえれば安易にドルを売ることもできない。結局、ドル円相場はしばらくは膠着状態が続くか?

業績期待が強いが、1月31日時点で東証1部平均の予想PERは16.98倍であり、バリュエーション面からの割安感はない。一方、円相場が1ドル=110円台を保てば18年3月期は一段と業績が改善するとの見方も強い。予想EPSが上がれば、予想PERは下がる。それを先取りして買い上がるかどうか?

33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、電気・ガス(2位)、証券(3位)、繊維製品(4位)、空運(5位)となった。


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