【投資脳のつくり方】上海株急落、5%安、1年8ヵ月ぶり水準

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

●世界株に振られる

昨日はアジア株の下落をカバーできたのですが・・・
幅広く全般的に売られてしまいました。
投資家の心理を占う騰落レシオも、
再び80ポイント台と悲観的な水準となっています。

今はどんなポジティブなニュースがでても、
株式市場はプラスに反応しにくくなっています。

一方で、ネガティブなニュースには、
大きくマイナスエネルギーが働きます。
でも、こうしたことは株式市場にはよくあること。
ここで多くの投資家は目を覆ってしまい、株式市場から離れてしまいます。
実際、最近は、投資家向けセミナーでも若い方、
壮年の方の参加が劇的に減っていると思います。

一方で、株式市場の荒波を何度も乗り越えてきた方々は、
こういうタイミングだからこそ一生懸命参加しているように思います。
2003年から株式投資をはじめ、
上昇相場しか経験してこなかった方にとっては苦しい時期が続きます。

いつまでもこうしたことは続きません。いずれ反転に向かう時が来ます。
そのときまで、市場に居続けられるかどうかが一番重要だと思います。


●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
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【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】
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1.上海株急落、5%安、1年8ヵ月ぶり水準

2.BHPビリトン、7年連続で最高益

3.公的資金必要な段階

http://www.terunobu-kinoshita.com/20080819-toushinou.pdf

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1.上海株急落、5%安、1年8ヵ月ぶり水準

(出所)2008年8月19日付日本経済新聞朝刊1面

 ●中国株、オリンピック後の不安から売られる
 ●中国株式市場固有の問題もある
 ●オリンピック「後」にやってくるのは、株高の予感

18日のアジア株式市場は、各国の主要指数が軒並み下落した。
上海総合指数は前週末比5.3%安の2319.86で取引を終え、
1年8カ月ぶりの安値を付けた。
五輪閉幕後の中国経済の後退懸念から幅広い銘柄が売られた。

上海総合指数は今年に入って55.9%下落、
下落率の大きさは世界の主要指数で群を抜く。
上海総合指数の18日終値は2006年12月中旬の水準にまで落ち込み、
「バブル」に擬された昨年の上昇分は完全に帳消しになった。

中国は外資による国内株式の購入を厳しく制限しており、
売買の大半が国内の個人投資家だ。
また、古今東西同じで、
個人投資家の多くは上昇相場で株式市場に参加する。
中国でも、昨年の株価急伸の時期に株式売買を始めた投資家が多く、
企業の将来性に期待して株式を長期保有する傾向は薄い。
このため株価が一方向に触れやすい傾向がある。

当メールマガジンでも何度か述べてきたように、
ポイントは北京オリンピック「後」だ。
事実が明らかになる前は、なんとなく株価が下落するということがある。
今の中国はまさにそうだ。
しかし、中国の継続的な成長に加え、
株価が上昇する施策が次々と明らかになってくると、
今度は再びマネーが流入することになるだろう。
暴落しているということは、最大のチャンスがやってきているということ。
虎視眈々と中国株を狙っていくタイミングは、すぐそこまでやってきている。


2.BHPビリトン、7年連続で最高益

(出所)2008年8月19日付日本経済新聞朝刊9面

 ●資源大手の業績は絶好調
 ●では、なぜ株価は大きく下落しているのか
 ●世界的な資源価格高騰の終焉の予感

豪英資源最大手BHPビリトンが18日発表した2008年6月期の通期決算によると、
売上高は594億7,300万ドル(約6兆5,400億円)で
前の期に比べ25.3%増加した。
純利益は同14.7%増の153億9,000万ドルだった。
中国やインドなど新興国を中心とした世界的な需要増により、
売上高、純利益ともに7年連続で過去最高を更新した。

しかし、株価はどうか。決して芳しくない。
むしろ、ここ最近は下落基調という言葉が当てはまるだろう。

BHPビリトン株価/ http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3ABHP

これはどう捉えればいいのだろうか。
私は、中国訪問をふまえ、原油価格が下落する可能性を考えている。
さらに、BHPビリトンの株価下落は、他の資源にも
同様の流れが来る前兆を株価が先取りしているのではないか、
と考えるべきではないだろうか。

資源国に付加価値が流出、資源を持たない国はインフレに苦しみ、
コストアップに苦しんでいる。
一方的なパワーゲームはいつまでも続かない。
資源への投資はこれから何度もテーマとして浮上するだろう。
しかし、タイミングはいつでもいいわけではない。
資源への投資は、投資対象をよくよく吟味する必要がある。


3.公的資金必要な段階

(出所)2008年8月19日付日本経済新聞朝刊9面

 ●サブプライムローン問題は、どこまで落ち込むのか
 ●米プリンストン大のシン教授は「公的資金が必要」と説く
 ●公的資金が投入されるということは、海外株の上昇の号砲

金融危機の研究で知られ、
昨夏から「銀行の資本不足が実体経済に影響する」と指摘してきた、
米プリンストン大教授ヒュン・ソン・シン氏。

私も、書籍「27人のすごい議論」(文藝春秋編)で、
サブプライムローン問題の影響が実体経済に波及すると指摘してきた。
これは昨年8月に寄稿したものだ。
そして、1年が経過し、いよいよ実体経済の悪化が本格化してきた。
では、このタイミングは、さらに落ち込むタイミングなのか、
それとも、反転を期待するタイミングなのか。
シン教授はシンプルにその解を説いている。

●危機は一段と深まっている。
昨年末までの第一段階でまず、サブプライムショックが
金融機関のバランスシートを襲い、
銀行間の相互不信が激しい信用収縮を引き起こした。
年初からの第二段階では影響が銀行部門だけでなく、
実体経済に波及してきた。
住宅価格の下落が個人消費や住宅投資を冷やし、
銀行の貸し渋りが広範な経済活動に影響し始めている
(中略)
危機は公的資金投入を必要とする第三段階に近づいている。

私も同様の考えを持っている。
では、公的資金投入は売りなのか。
私はそうは思わない。
公的資金投入によってマネーの不安定さが解消されれば、
米NYダウへの投資は別としても、
再び世界の株式市場にマネーが流れ込むことが予想される。
第三段階に来たとき、再び海外株への投資が魅力を増す。


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