熱帯・亜熱帯のさんご礁周辺に住む魚によって起こる「シガテラ中毒」が、
ここ10年ほどで本州以北でも見つかっていることがわかり、日本水産学会などの専門家は、「地球温暖化の影響も考えられる」と指摘しています。
シガテラ中毒は南海に生息する毒うつぼやバラハタ、オニカマス、ハタ類などの肉や内臓に蓄積しているシガトキシンなどの天然毒によって起こる食中毒です。シガトキシンなどを持つ魚は3百種類にも及ぶといいます。
シガテラ中毒の症状は神経や胃腸障害を起こし、舌や手足の痛み・しびれ、頭痛、嘔吐、激しい下痢、関節痛などを伴います。致死率は低いですが、回復に時間がかかり、完全治癒まで半年から1年もかかることがあるといいます
本州以北ではありえないとされていたシガテラ中毒ですが、この10年ほどで本州でも見つかるようになり、2002年には千葉県でイシガキダイが原因とみられる中毒事例が発覚、8人が被害にあっています。
その後も茨城や神奈川県、大阪府などでも散発的に報告されています。なかには裁判で製造物責任を問われた料亭経営者もいます。
※中毒の原因となるシガトキシンは煮ても焼いても消えないので、調理で防ぐことはできません。また効果的な治療法も今のところありません。
