フィンテック発展を支援、業務活用の可能性含めて研究


フィンテック発展を支援、業務活用の可能性含めて研究=日銀総裁


[東京 23日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は23日、本店で開催した第1回Fintechフォーラムであいさつし、金融と情報技術を融合したフィンテックの発展を日銀として支援していくと述べるとともに、日銀業務にフィンテック技術を活用する可能性を含めて調査研究を進めていくと語った。

総裁はフィンテックについて「中央銀行との関連でも幅広いインプリケーションを持つ」とし、決済や金融サービス以外に「eコマースやシェアリングエコノミーなど各種の経済活動を刺激するといった実体経済への影響も注目すべきポイント」との認識を示した。

その上で、日銀として「将来的に自らの業務にフィンテック技術を活用する可能性を含め、調査研究を進めていく必要がある」と指摘。フィンテックの健全な発展を支援すると述べるとともに、金融サービスの利便性向上や経済活動の活性化に結びつくよう、「中央銀行の立場からなし得る最大限の貢献をしていく」と表明した。

総裁は、フィンテックの発展には「情報セキュリティへの対応」が鍵になると提起し、金融ネットワークのオープン化との両立がフィンテック発展の「大きなチャレンジ」と位置付けた。

仮にフィンテックで情報セキュリティの問題が頻発すれば、「それが一部の業者に限られるものであったとしても、フィンテック全体への警戒感につながり、その発展が阻害されることになりかねない」と、セキュリティの重要性を訴えた。

関連して、情報技術の進歩が「ハッキングやサイバー攻撃などの手口をますます巧妙にしている面もある」とし、グローバル化する金融の世界では「ひとたびそうした攻撃による侵害が発生すれば、その影響は国境を越えて拡散し得る」と警告。

今年2月にバングラデシュ中銀がハッカー攻撃を受け、預金が不正に海外送金された事件は「そうしたリスクが顕在化した事例」と続けた。
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