週末8日のNYダウは11734.32(+302.89)と大幅に反発した。原油が3ヶ月ぶりの安値をつけたということで、アメリカ経済全体への安心感が広がったようだ。週足では、ダウは3.6%もあげ、3カ月余りで最大の上昇率だということである。チャートをみると、綺麗に7月15日、7月29日の安値を結んだ下値のトレンドラインを守っており7月28日の直近の高値11698をついに抜いてきてた。一目均衡表では転換線11444でぴたりととまって反発。基準線も上向きになりつつある。まだMACDはマイナスだが、もう少しでゼロラインに届きそう。これから雲の下限12160に突っ込むか、どうか。つっこんでゆけば、もみあうと思われるものの、形はだいぶ明るくなってきた。日足のボリンジャーもバンドが上に開き始め、プラス2σのところに位置して、上昇局面を表している。週足も転換線を抜いてきたが、まだ基準線の下、リバウンドの範囲。とはいえ、転換を示唆する雲のねじれあたりから上昇し始めており、RCIも上昇、MACDもマイナスながらいったん底打ちしている。前からいっているように、月足のRCIも底を示唆していて、どうやら7月が大底になるのでは、と期待させる。週足のボリンジャーはまだ下向きだが、バンドは狭まりつつあり、転換が近づいているかもしれない。
こうして日足は好転し週足にも希望が出てきているものの、この一週間かなり上下のぶれが激しい。今までも何回も期待をもたせながら、そのつど期待を裏切って下に転じたので、不安は完全にはなくならない。(二番底とはそういうものだそうだが)地方銀行の破綻など、金融不安はもう一度あるのではないかといわれている。経済実態もまだ先がはっきりみえてこない。月足、週足が上昇トレンドになるにはまだかなりの距離がある。週足のMACDもまだマイナスだし、月足のMACDはゼロを切ってくる寸前であり、ここからみれば中長期の下げトレンドはなお継続中である。長中期の投資をする立場からは、週足レベルでのトレンド転換を示唆する証拠がほしいところ。そうでないと、何かのきっかけで下に振れるリスクはぬぐいきれない。
WTI原油は週足の基準線118もわってきており、月足の転換線116近辺でとまっている。このあたりが節目なのでいったんもどるかもしれないが、すでに週足はMACDもRCIも明確に下降しはじめており、天井をつけて下降基調が継続しているように思われる。ドル円は日足も週足も、基準線、転換線の上で、日足MACDはプラス圏を上昇中、週足MACDはゼロラインを上抜けたところで、しばらくドル高の動きとなりそうだ。
さてNYがはっきりと底をつけつつあり、ドル高も明確なトレンドをつくっているとすれば、日経平均には追い風となるだろう。日経平均は、週末は、NYが下げていたのに、なかなかしぶとく小幅に上げた。終値13168は、ちょうど基準線13137と転換線13180の間。基準線をかろうじて守ったところでまだ明確なトレンドはなく、7月16日の安値からの下値のトレンドと、6月18日の上値のトレンドラインで形成する三角持合が煮詰まってきたようにみえる。どちらに離れるか、注目だが、常識的には、円安もすすんでいるので、NYに安心して追随して上に抜けることが期待される。実は週足でも、3月の安値、昨年7月の高値から形成された三角持合が煮詰まってきた形になっており、どちらかに離れるタイミングが近づいている。月足は転換線がさげているし、雲の中であるが、先月に雲の下限までいったんつけて、そこから反転してきた形。MACDもまだマイナス圏を潜行しているものの横ばいになりつつあるようにみえ、月足のRCIははっきりと上昇。日足とおなじく月足もボリンジャーバンドでみても、まだ下向きだがバンドが狭まってきて転換を示唆している。
問題は国内の景況感が悪いことだ。これが日経平均の足をひっぱりそうだ。もっとも政府が景気後退を認めた頃が景気の底という観測もあるので、少しでもいい話がでてくれば、それをはやしてゆくことになるのかもしれない。