猫の目のようにコロコロ変わる相場だが底流は・・・

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -15.82 @18,456.35, NASDAQ +15.17 @5,154.98)。ドル円為替は103円台半ばの円高方向へ動いた。本日の日本株全般は反発する銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,241に対して、下落銘柄数は604となった。騰落レシオは116.97%。東証1部の売買代金は3兆2967億円へ膨らんだ。

TOPIX +16 @1,323
日経平均 +92円 @16,569円

最近はTOPIXも日経平均も猫の目のようにコロコロ変わる。7月27日は「振り分け線」で反発したかと思えば、28日は「被せ線」で反落し、本日29日は「切り込み線」で強烈に下げ渋った。

今日は日銀の金融政策に振り回される1日だった。金融政策決定会合で、ETFの年間買い入れ額を増やすと同時にマイナス金利は現状を維持すると決めた。日銀はETFの買い入れ枠を3兆3000億円から6兆円に拡大したが、市場からは期待外れと受け止められ失望売りがどっと出た。市場の事前のコンセンサスは、①国債の買い入れ、②マイナス金利、③ETFの買い増し、と3次元での拡大を予想する向きが多かったのに、実際は小規模な「1次元」緩和にとどまったためだ。日経平均は追加緩和決定直後に202円高となった6分後に302円安となるなど、日銀の追加緩和を巡り短時間で500円あまり乱高下した。

他方、政策金利の引き下げに身構えていた銀行界は安心した。日銀の政策決定が伝わった午後0時45分過ぎ、3メガバンクの株価は急騰。終値は前日比6~8%高と日経平均株価(0.5%高)を大きく上回った。マイナス金利の拡大が見送られ、収益悪化リスクは当面回避されたと受け止められた。マイナス金利の拡大が見送られたことで円相場は上昇して輸出関連株を中心として株式相場には重荷となったが、日銀のETF買い入れ増額とマイナス金利拡大見送りは株式相場、特に銀行株にとっては追い風になる。

2016年4~6月期決算では、企業業績は思っていたほど落ち込んでいないとの見方が主流になりつつある。下げるとすぐに買いが入る。底流で投資家心理は着実に変化しているようである。

33業種中25業種が上昇した。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(2位)、保険(3位)、ガラス・土石(4位)、陸運(5位)となった。

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