【投資脳のつくり方】トヨタ28%減益

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

●8のつく日

8というのは私の地元、名古屋という印象があります。
末広がりも8ですし、なんとなく縁起がいい、
と考えるのは私だけでしょうか。
そんな8月8日午後8時(日本時間9時)に
北京オリンピックの開会式が始まります。
4年に1度のイベント。
にわか日本ファンとして応援したいと思います。


●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。

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【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】
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1.トヨタ28%減益

2.景気後退事実上認める

3.児童虐待8.7%増

http://www.terunobu-kinoshita.com/20080808-toushinou.pdf

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1.トヨタ28%減益

(出所)2008年8月8日付日本経済新聞朝刊1面

 ●最強トヨタ、急ブレーキ
 ●四半期ベースで初の減収減益に
 ●業績が悪化したからこそ、トヨタ自動車は世界一になれる

トヨタ自動車が7日発表した2008年4-6月期連結決算純利益は
前年同期比28%減の3,536億円となった。
最大市場の北米や欧州などで販売が低迷、
原材料価格の上昇、円高も収益を圧迫した。
四半期ベースの減収減益は初めて。
今から約1年前、日経産業新聞に
「トヨタ自動車に死角なし」という記事が踊ったことがある。
私はその記事を読み、当メールマガジンで下記のように書いた。
少し長いが全文を抜粋する。

●最近のマスコミを中心とした「トヨタ自動車礼讃」はどうか。
今回の記事も「世界一が近づいた今も、死角は見えてこない」
と締めくくられていることが象徴的だろう。
それは、トヨタ自動車は世界に冠たる企業としての
「懐の深さ」をあまり感じないからだ。
また、これだけトヨタ礼讃が続けば、
かつての厳しい時代を経てきた古参の社員は別にして、
一般社員に危機感は醸成されにくくなるのではないだろうか。
このままでいいのだ、と思いやすくなるだろう。
かつて1950年代にはトヨタ自動車をもじって
「TOY AUTO(おもちゃの自動車)」と揶揄された時代があった。
今のトヨタ自動車にそのときの世界と戦う気概を持てというのも無理な話。
それでも、マスコミのトヨタ礼讃には
注意が必要な時期が来ているような気がしてならない。
(「投資脳のつくり方」2007年7月18日付)

トヨタ自動車が日本で最強だからこそ、トヨタ自動車が強くなってもらわなけれ
ば日本の株価にも元気が出ない。だからこそ、あえて厳しい態度でトヨタ自動車
に対しては意見を言ってきた。しかし、過去十数年右肩上がりの成長が頓挫する
今回の減益はトヨタ自動車の本当の強さを引き出すことになると思う。


今すぐではない。ただし、トヨタ自動車に対して、
いよいよ投資を検討していくタイミングがやってきたと考える。


2.景気後退事実上認める

(出所)2008年8月8日付日本経済新聞朝刊1面

 ●与謝野経済産業相、景気後退を事実上認める
 ●企業業績は5年周期で行ったり来たりするもの
 ●ボックス相場となる予想を投資に役立てる

政府は7日、景気の基調判断を「このところ弱含んでいる」とした
8月の月例経済報告を関係閣僚会議で決定した。
日本経済を牽引してきた生産や輸出が減少しているのを受け、
4年8ヶ月ぶりに「回復」の表現をなくした。
記者会見した与謝野経済財政担当相は、
事実上景気が後退局面入りしたと認めた。

月例報告で景気を「弱含み」と判断したのは、
景気が後退局面にあった2001年5月以来。
米国発の信用不安を背景とする世界的な景気減速を受け、
外需に依存する成長を続けてきた日本経済は曲がり角を迎えた。

理由として挙げられるのは、
米経済の減速や資源・食料価格の高騰といった外的ショックが主因だ。
しかし、景気はそもそも循環するもの。
そのときどき何らかの理由が挙げられるが、
概ね5年ごとに景気は循環していくと考えていたほうがいい。

では、日本の景気後退は何を意味するのか。
投資をしてはいけないということになるのか。
そんなことはない。
景気後退局面を迎えるとき、考えなければいけないのは、
平均株価が景気後退を受け下落してしまうのか、
それとも、平均株価が上昇とはいかないまでも
ボックス相場となるのか、という判断だ。
私は後者ではないか、と考える。
日本企業は景気後退局面にこそ、次なる成長に向け準備を行っていた。
これは人生と同じだ。
結果がでないときの将来に向けての準備が、5年後を決める。
業績という数字の下落を、
危機感を持って改革しようというヒトの上昇圧力が拮抗し、
ボックス相場になると考える。


3.児童虐待8.7%増

(出所)2008年8月8日付日本経済新聞朝刊42面

 ●児童虐待の検挙件数が過去最悪
 ●凄惨な事件が普通に
 ●景気動向と連動する暗いニュース

今年上半期(1-6月)の児童虐待の検挙件数は前年同期比8.7%増の162件で、
上半期としては5年連続して過去最悪を更新したことが7日、
警察庁のまとめで分かった。

警察庁のまとめによると、児童虐待の検挙人数は同0.6%増の165人、
被害児童者数も同5.7%増の166人と
いずれも統計を取り始めた2000年以降、過去最悪。
虐待で死亡した児童数も29人で同61.1%増加した。
一方で、埼玉県川口市では中学3年の長女が
父親を刺殺するという凄惨な事件が起こった。
しかも、最近こういった事件を
目に耳にすることが珍しくなくなってしまった。

私も子を持つ一人の親として
こういった記事を読むのはいたたまれない。
しかし、景況感が悪化してくるとどうしてもこういった事件は増えてしまう。

思い返せば98年、山一證券の自主廃業、日本長期信用銀行の国有化など、
未曾有の金融不安が高まったとき、自殺者が急増、
検挙率が大幅に低下したことがある。
さらに悪いことに、最近では、他人に責任を押し付け、
理不尽な理由で短絡的な事件を起こす例が多い。

日本企業の多くは5年周期の業績悪化局面に差し掛かった。
そのため、数年はこういった目を覆うような事件も多発するかもしれない。
暗い時代こそ、自分自身の見る目が曇らないように自分自身を律していきたい。


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◇発行人/編集人

木下晃伸(きのしたてるのぶ)
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株式会社きのしたてるのぶ事務所

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