イタリアの不良債権問題が重しに

優利加さん
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昨日の米国株式相場は下げた(-108.75 @17,840.62, NASDAQ -39.67 @4,822.90)。ドル円為替レートは100円台後半~101円台前の円高方向へ振れた。これを受けて、本日の日本株全般は大きく下げた。東証1部では、上昇銘柄数が310に対して、下落銘柄数は1,588となった。騰落レシオは87.18%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆2304億円へ増加した。

TOPIX -22 @1,234
日経平均 -290円 @15,379円

TOPIXも日経平均も大幅続落した。株価の重荷になったのはイタリアの不良債権問題である。イタリア銀3位のモンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナが4日に欧州中央銀行から不良債権の削減を要請されたと明らかにし、欧州の金融不安が再燃するとの警戒感が強まった。銀行や証券株など金融関連株に売りが膨らんだ。円相場が円高となり上げ幅を広げる場面では先物で売りが優勢になった。7月中にはイタリアの銀行部門の現状をチェックするストレステストの結果が判明する予定である。

他方、7月8日には6月の米国雇用統計が発表される。5月の米雇用統計は就業者数が市場予想を大幅に下回る内容だった。米国は既に完全雇用に近く、次回も就業者数の大幅な伸びは期待しづらいとの指摘がある。次回の雇用統計も内容が悪ければ利上げ時期は一段と後退するだろう。日米金利差拡大への期待が萎めば円相場の高止まりが続き、それが日本株の頭を押さえる。

もう一つ株価に影響を与えそうな材料が参院選である。世論調査では、自民党は非改選と合わせて単独過半数をうかがう情勢で、憲法改正に前向きな「改憲勢力」は国会発議に必要な2/3に迫る。改憲機運が高まれば経済政策がおろそかになるのではないかとの懸念がある。

企業も消費者も物価見通しを引き下げている現状では、今度こそ日銀も7月28~29日の金融政策決定会合で動かざるをえないだろう。

33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、その他金融(1位)、ゴム製品(2位)、証券(3位)、鉄鋼(4位)、不動産(5位)となった。

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