yuhsanさんのブログ
いつまでも上がり続ける相場
……は、ありえません。株は上がることもあれば、下がることもあるからです。
それでは、こうだったらどうでしょう。コンスタントに上昇して、年に1割程度の上昇が約束される相場はどうでしょう。年間の上昇幅は、通貨の発行量と同じくらいとします。
おそらく、資金運用に困っている機関投資家や、個人の富裕層は、安心して現預金から利回りの高い株式に資金を移すでしょう。長期投資家にとっては、理想的な投資環境です。
こんな相場は現実的でないとか、管理相場だとか、市場原理が働かない死んだ相場とか、多くの個人投資家、ファンド筋、ウォールストリートの投資家からは、そっぽを向かれ、市場関係者、証券会社、マスコミからは猛烈な非難の嵐です。
ところが、コンスタントに右肩上がりになる相場を求める動きが、アメリカ、イギリスを中心に起こって、国民の間に広がっているのです。行き過ぎた金融資本主義に反対する、反ウォールストリート運動です。
この流れは、資本主義を否定する従来の左派運動とは一線を画すものですが、お金がウォールストリートに集まり、金融資本だけが富を集め、労働者、若者に恩恵が及ばない制度への、いらだちを表しています。
そのため、行き過ぎた資本主義の結果として生じた市場主義を、国家が市場への介入で補正しようとしています。そうしないと競争による貧富の差が、コントロールできないからです。
資金の長期運用先の年金、保険、機関投資家の間からも、従来から運用していた債券市場が、マイナス金利導入で、その収入源を絶たれたこともあります。国債の市場は、値動きは緩慢でしたが右肩上がりの投資先として、長期資金の運用先として用いられていましたが、その道が閉ざされてしまったのです。
個人からも、値動きの激しい動きについてゆけないと、資金の株式市場から引き上げる動きになっています。市場関係者の市場の活性化という甘い蜜に誘われて参入した結果がこれでは、どうしようもありません。やり場のない資金はたまる一方です。
相場をコントロールするためには、莫大な資金と規制が必要になります。国がやらないとできないことです。でも投入された資金は、決して無駄にはなりません。相場暴落の際に投入されて資金は、大きな利益となって国家財政に貢献しています。
コンスタントに毎年少しずつ上昇する相場は、おそらく「みんかぶ」読者にとってはブーイングでしょうが、こうしないと株式市場の存在はありえません。株式市場が資本主義の象徴であり続けるためには、金融マフィアに荒らされる博打場であってなならないのです。