7月1日の日経平均は15682.48(+106.56)と一応上昇で終わったが、ローソク足の形は、上下に髭の出た寄引同時線で、勢力拮抗を示唆、転換線15626は超えているものの、基準線16057、雲の下限16542ははるか上で、パラボリックは下向き、MACDもマイナスの下降基調の戻り売り局面である。週足は、一応陽線だが、先週の陰線を上に抜けれれておらず、雲の下基準線、転換線の下でパラボリックは下向き、MACDもマイナスであり、こちらも下降基調。月足も基準線、転換線の下、雲の上だが、転換線が基準線を下抜けたところで、パラボリックは下向き、MACDもマイナスで下値を切り下げている。
為替はどうか。現時点では102.47で円高に動いており、日脚は雲の下、基準線の下で、転換線の攻防の局面だが、金曜日は転換線を下に抜けている。パラボリックも下向き、MACDもマイナス。週足も雲の下、基準線、転換線の下、パラボリックも下向き、MACDもマイナス。月足は雲の上だが、基準線、転換線の下、転換線は基準線を下抜け、パラボリックは下向きで、MACDはゼロラインを切る寸前。
つまり株為替とも短中長期すべてが、明らかに下降ないし円高トレンドとなっている。Brixitの影響だけかどうかは判然としないが、アベノミクスの成功の方程式であった異次元緩和による円安誘導、それをもとにした企業業績の上振れ、株高は、一敗地にまみれたといったところであろうか。この水準で底値形成ができるかどうか、が見どころだが、どうだろうか。現段階の日経平均のPERは13.8倍でかなり低くなっているが、102円の円高を十分に織り込んだものかどうか。これが不分明であるばかりでなく、この102円自体が、イギリスおよびユーロ圏初の経済的政治的混乱を盛り込んでいるのか、今の段階では見通せない。
ただイギリス自体では、離脱派を率いていたはずのボリスジョンソン自身が、離脱派の勝利に当惑したのか、妥協的な姿勢を見せ、それが引き金になって、移民のシャットダウンをねらうさらに観念的で強硬な離脱派の副官だったゴーブが出馬を表明、結局ジョンソンは出馬断念に追い込まれた。ところがゴーブへの支持は広がらず、どうやら移民のコントロールの程度と、EUの市場へのアクセスの度合いを天秤にかけて、着地点を見出そうとする現実的なメイが首相に有力と伝えられている。もしも9月ごろまでにそうしたソフトランデイングの見通しがはっきり出てくれば、市場も落ち着きを取り戻すかもしれない。