簡単なようで容易ではありません。著名な野球選手が、いったん手を染めた薬物依存症から抜け出すのに苦労しているように、ギャンブル依存症からの回復は大変です。一番いい方法は、株で大損をして株の恐ろしさを知ることです。
でもあまり勧められません。それに辞めてしまっては、元も子もありません。次善の策としては、成功体験を忘れることです。人の成功体験も同じです。人が儲かるという話を聞くと、つい昔の成功体験がよみ帰り、また手を染めてしまうのです。賭け事に共通しています。株のSNSを見ないようにするというのも一法です。それに最近は、醜い顔をした広告に目の行き場を失います。
長期投資の目標は、「株の配当金で豊かな生活する」ことです。まず、このことをしっかり頭に入れることです。値幅取りで資産を増やすのは、そのための手段なのです。
基本は、いい株を見つけて、その企業の努力でえられた果実で生活することですが、投資の時期も大切です。ということは、「いい株をいい時に買い、長期に保有する」ことになります。どの投資の本にも書いてあることです。
最大の問題点は、いかにしていい銘柄を選択するかにかかっています。赤い糸に結ばれた銘柄をいくつ持つかで決まります。後は企業が一生懸命に株価をあげてくれます。最近は、時価総額経営が主流ですが、社員の確定拠出年金投資や、役員報酬を株で支払うオプション制度で、会社はいやでも株主の期待に応えなくてはならなくなってきています。
それでも、いい銘柄に出会うのは大変です。どうしたらいいのでしょうか。
目線を変えることです。5年先の投資環境と、その時の銘柄の収益力を想像してみるのです。現在の延長ではなく、5年後にワープして、その世界がどんなものかを考えるのです。参入障壁の低い新興市場銘柄で、5年後に存在している銘柄が一体いくつあるのでしょうか。
長期投資家と自称している人でも、所有している銘柄は、短期の値幅取りの銘柄を買ったが塩漬けになり、結果的に長期に保有しているケースが多いのです。長期投資の視点で銘柄選択をしないで、値幅取りに失敗した株をいくら抱えていても、それは長期投資ではありません。
銘柄選択ばかりではありません。投資法でも、ある時は短期に、ある時は長期に目線を替えてはだめです。長期は短期の延長ではなく、全く哲学の違う別物なのです。長期投資は、短期投資のなれの果てではないのです。
長期投資での最大の試練は、相場の値下がりときの対応です。上昇期には最大限に、下降時には資産の減少を抑える。それに備えるために、持ち株の分散とリスク資産のファンド化が必要となります。
あなたの投資法に、この3点が組み込まれていれば、時間はかかりますが、寝ている間にもお金がせっせと稼いで、豊かな生活が送れるようになります。