日米の景気後退懸念が拡大

昨日4日のNYは続落。11284、42ドル安で終わった。日足では転換線12565、基準線11318を割り込んでおり、基準線は下向き。7月23日の直近高値に届かず下向きとなり、日足のMACDはマイナス圏、日足RCIは下降中なので、さしあたりは直近の安値7月28日の11125、そして7月15日の10827の底を試すことになる。週足も雲、転換線、基準線の下、週足MACDもマイナス、週足RCIも下降中で、しばらく下落が続きそうな気配である。月足は先月に雲の上限で反発しているが、MACDがゼロラインまできており、これをこのままきってくると調整が一層長引きそうである。原油が下落したものの、6月の個人消費が実質マイナス、人員整理が本格化しており、HSBCの損失拡大が伝えられて金融不安もなくならないうちに景気後退懸念が拡大しているようだ。(一方コアの消費者物価指数は上昇している)FOMCが注目だが、まだ株の底が固まっていないので、下手に金利を上げるようなそぶりをみせると、がらがらとまた崩れる可能性がありそうだ。
 原油は、大きく下げてきた後目先少し戻しており、日足のRCIも反発しているが、さしあたりまだ雲の中、基準線の下で、自律反発の域で、週足は転換線を大きく割り、MACD、RCIが明確に下降しており、落基調は変わらないようにみえる。原油が落ち着いてきてインフレ懸念が弱まり、景気後退が鮮明になってきているので、アメリカの金利も、消費者物価を気にしながら目先戻しているが中期的には低下傾向であり、日足では転換線4.0、基準線3.9を割ってきており、日足のRCIは下降中。雲の下限3.8を切るかどうか注目される。
 ドル円では、108円58でまるで上蓋がはまっているようになっており、これ以上上に行く勢いはなさそうだ。しかしまだ大きく下にいく様子もない。景気後退が鮮明になってアメリカ金利が下がってくると、ドルはこのあたりで天井をつけてやがて弱含むのではないかと思われるのだが、原油の下落がさらに続けば、アメリカ経済景気後退が一服し、先行きへの楽観が強まってゆく可能性もないとはいえないので、その綱引きなのだろうか。

 日経平均は、12933と161円も下落。上昇のトレンドラインをすっかり割り込んで下降基調。日足は7月29日の直近安値をあわりと切ってしまい、日足基準線、日足転換線も大きく割り込み、週足の転換線、基準線も切ってきている。日足MACDもマイナス、日足RCIも下降中で、7月16日の安値12671を試しにゆく展開になりそうだ。このあたりが、また3月安値からのトレンドラインとなっているので、大きな節目なのだが、これも維持できるかどうかは楽観できない。すでにTOPIXは月足の雲も割ってきており、さらに深刻。月足からみると二番底さぐりとみたいところだが、景気後退の様相如何では、それすら確証はない。事実成長を買う新興市場は、目も当てられない惨状である。
 企業決算もさえず、日本経済の景気後退がはっきりしてきたと同時に、特にアメリカ経済の後退が、自動車産業の先行きに大きな影を投げかけていて、それが鉄鋼やその他の素材産業の先行きも暗くしている。内閣改造で、景気対策が言われているものの、財政緊縮中でやれることは限られており、成長を加速する構造改革路線は実質上放棄されてしまったように見えるので、世論調査はちょっとよくなったようだが、市場のほうはまったく期待をもっていないようだ。
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