マザーズ「高いね☆」 手のひら返し♪ 

gomachan-2015さん
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★先週末、四季報オンラインで、盛んにマザーズ特集 記事を

 連発していましたが、相場環境が悪くなると、手のひらを返したような、

 冷静記事が出てきました。

 逆に、日経225は、お値打ちかも。

 

マザーズのPERを計算してみたら「高いね☆」

 

21時21分配信 会社四季報オンライン

拡大写真16日の東証マザーズ指数は前週末比81ポイント安と急落(撮影:尾形文繁)現在値ミクシィ4,050+30アンジェス638+13そーせいG22,350

+820

 
 
先週末13日にそーせいグループ <4565> など東証マザーズの人気銘柄の多くが決算を発表した。そーせいをカバレッジする証券会社は3社あり、今2017年3月期のアナリスト予想平均は純利益で137億円。これに対して会社側は130億円予想を提示しており、良くも悪くもサプライズはなし。これは、英子会社ヘプタレスとアラガン社との提携に伴う契約一時金の計上(約137億円)が事前に開示されていたためである。

 決算発表を受けたそーせい株は16日、寄り付きこそ上昇したがその後は前日比で大幅安。典型的な好材料出尽くしという反応になった。そーせいの大幅安はマザーズ全体の需給を悪化させ(前回の本連載参照)、同日の東証マザーズ指数も前日比6.76%安と急落した。

 たとえば、日経平均や東証株価指数(TOPIX)であれば、「PER」などの投資尺度を比較的簡単に知ることができるため、ある程度の水準感が市場関係者の間でも議論される。日経平均でいえば、決算が出そろい「予想PERが13.7倍まで下がったから買いやすくなったかもね」といった具合だ。

 ただ、マザーズ指数については、どこを見ても指数のPERが表示されていないため議論も生まれようがない。決算発表が出た今、マザーズがどのような立ち位置にあるのか試算したのでご覧いただきたい。株価データは16日の大引け時点の数字を用いた。

 マザーズ上場226銘柄の時価総額を合計すると「4兆0533億円」となる。前期実績の純利益の合計は「689億円」。そのうち、前期赤字の企業が54銘柄あり、前期の赤字額最大はアンジェス MG <4563> の41.4億円。一方、前期の黒字額最大はミクシィ <2121> の610.2億円である。マザーズ市場全体の利益の88%をミクシィ1社が占めるという衝撃的な状況だったわけだ(ミクシィ1社というか、「モンスターストライク」というゲーム一発でというか……)。前期実績ベースのPERは59倍ということになる。「結構高いね☆」といったところか。

 一方、同じように226銘柄の今期予想の純利益を合計すると958億円。前期比で39%増という大幅な増益見込みだ。純増分は269億円。この大半を占めるのが、そーせいだ。前期実績の14.3億円の赤字に対し、今期は130.6億円の黒字見込みで、145億円の純益押し上げ要因になる。今期はミクシィが減益見通し(最終益予想は540億円)だが、それでもミクシィとそーせいを合算した670億円でマザーズ市場全体の利益の70%を占める。
■ 7月にマザーズ指数先物取引が始動

 ただ、増益に見えるカラクリとしては業績予想を未開示としている22銘柄の存在がある。これら銘柄の今期予想を「0」という前提で計算したが、未開示22銘柄の前期実績を合計すると107億円の赤字。今期見通しを「0」とカウントしていること自体、超楽観シナリオであり、それに基づいた純利益合計「958億円」という数字であることを付け加えておきたい。「超楽観数字」をベースにマザーズの予想PERを計算すると42倍……「まだ高いかもね☆」である。

 これでもピンとこないため、(近い将来)マザーズから東証1部へ昇格するとみられるミクシィとそーせいを除いたマザーズのPERを計算してみたい(余計なお世話かもしれないが……)。この2銘柄を除いた時価総額は3兆3515億円。同じく、この2銘柄を除いた前期実績の純利益合計は93.46億円だ。マザーズのミクシィとそーせい両銘柄を除いた前期実績PERは359倍になる。「すごく高いね☆」である。さらに、今期予想の純利益合計は287.67億円で、今期予想PERは117倍。「やっぱり高いね☆」である。

 これが決算発表を通過した後のマザーズ市場を、純利益から見た考察だ。さあ、ここから買いたいか? 売りたいか? ……といっても、満足にカラ売りができない(売りたくても売れない)のがマザーズである。

 だが、7月19日に東証マザーズ指数先物が取引開始の予定だ。先物が上場するというのは、「売りたい人が存分に売れる環境が市場開設以来初めて、構築される」ということ。そのとき、市場がマザーズ指数にどういった適正価格を見出しにいくのか……これは非常に興味深い行事であり、保有しているマザーズ株のポジションをどうするかなど、そのときに向けた準備を始めるならそろそろだと思うがいかがだろうか? 

 (おしまい)

 ※株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興株市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供していた。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
岡村 友哉
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