昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +51.28 @18,041.55, NASDAQ -25.14
@4,863)。後場からドル円為替レートは108円台後半の円高方向へ大きく振れた。急な円高を嫌気して本日の日本株全般は大きく下げた。東証1部では、上昇銘柄数が228に対して、下落銘柄数は1,681となった。騰落レシオは96.19%。東証1部の売買代金は3兆1868億円へ急増した。
TOPIX
-44 @1,341
日経平均 -624円
@16,666円
最近はECBは追加金融緩和に動かず、FOMCも利上げに動かず、そして、今日、日銀も動かずだった。その結果、急激な円高を引き起こし、TOPIXも日経平均も後場から急落した。
物価見通しを下方修正し、2%の物価目標の達成時期も先送りにしたほどで、追加金融緩和を決定しても不思議ではないタイミングだった。しかし、日銀は先行き市場がさらに混乱したときなどに備えて「貴重な弾」を温存したかったのだろう。無駄玉は打ちたくないとういうのが本音ではないだろうか?日銀によるETFやREITの買い増しも期待されていたが、4月22日時点ですでに9兆3000億円に膨れていたので、現状のペースで計算すると7月には10兆円(東証1部時価総額の2%)を超えると予測されている。ETFを現物株に交換した場合、3月末時点で日銀はミツミ電機を7.5%、アドバンテストを6.5%、ファーストリテイリングを5.9%、太陽誘電を5.6%、TDKを5.4%、東邦亜鉛を5.0%実質的に保有している。日銀は一旦買ったら政策が終了するまで売らないが、「ものを言わない株主」なので、ガバナンスに問題が発生するとも指摘され始めた。
日銀は現状維持という何もしない代償として、「安全資産」とされる円が大きく買われ、日本株の相場急落を招いた。他方、追加緩和への期待が今後も継続することになり、押し目買いを誘いやすくなる。5月下旬に予定されている伊勢志摩サミットを控え、政府が消費増税の延期と景気下支え策をパッケージで打ち出すのではないかとの期待が依然として高い。
もうひとつの意識しておきたい視点は、ドル安が進行すれば、逆相関の原油価格には更なる上昇圧力が増すということだろう。
33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、証券(1位)、銀行(2位)、海運(3位)、保険(4位)、鉄鋼(5位)となった。