戻り基調だった原油相場が反落基調(WTI原油先物=41ドル台@3月22日 ⇒ 35ドル台@4月4日)に転じていることを嫌気して、昨日の米国株式相場は反落した(DJIA
-55.75 @17,737.00, NASDAQ -22.75
@4,891.80)。ドル円為替レートは110円台半ばまで円高が進んだ。円高に怯えて、本日の日本株は全面安となった。東証1部では、上昇銘柄数が43に対して、下落銘柄数は1,896となった。騰落レシオは101.57%。東証1部の売買代金は2兆2797億円と、大きく下げた割には少ない。
原油価格の下落による米国株安と円高進行のダブルパンチでTOPIXも日経平均も大きく下げた。どちらの指数も4月1日に相場の分水嶺となる25日移動平均線を割り込んでから下げ足を速めている。日銀短観で示された企業の想定為替レートは1ドル=117円台であった。この想定レートと足元のレートとのギャップが拡大して円高が進むほど企業の収益見通しがさらに悪化する。円高がどこまで進むか視界不良の中で、これといった買い手がおらず、売りが優勢となり株価の下げ足を速めた。
円高方向へ動く主な原因は2つある。一つは、イエレンFRB議長が世界経済の減速に配慮して利上げを慎重に進める姿勢を示しているためである。米利上げ観測の後退で、ヘッジファンドなどが主要通貨に対して目先はドルを売り進めている。もう一つは、原油安が資源国の経済を悪化させ、まず新興国を、そして巡り巡って世界経済を減速させるとの懸念から、資源・新興国通貨を売り円を買う動きが強まったことである。原油価格の反落に拍車をかけたのは、サウジアラビアのムハンマド副皇太子が1日、イランが参加しなければ増産の凍結に協力しないと表明したことである。これにより主要産油国による増産凍結の期待がしぼみ、原油相場は3月半ばにかけてみせた回復局面が完全に息切れした。
昨日は自動車株が大きく売られたが、今日はメガバンクから地銀株まで銀行株が総崩れとなり、銀行株が相場の下げを主導した。マイナス金利拡大による追加金融緩和を警戒したと推測できる。日替わりで下げ相場の主役が入れ替わり、買い材料がいっこうに見えない。唯一期待されているのが、財政政策の出動と消費税率再引き上げの延期だろう。
TOPIX
-34 @1,268
日経平均 -390円 @15,734円
33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、鉱業(2位)、証券(3位)、海運(4位)、石油・石炭(5位)となった。