日銀短観の悪さがきっかけだが、受給の悪さが主な原因

優利加さん
優利加さん

昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -31.57 @17,685.09, NASDAQ +0.55
@4,869.85)。ドル円為替レートは112円台前半の推移。本日の日本株全般は大きく下げた。東証1部では、上昇銘柄数が70に対して、下落銘柄数は1,860となった。騰落レシオは104.36%へ急落した。東証1部の売買代金は2兆6570億円。

今朝発表された3月の日銀短観が示す景況感が悪く、TOPIXも日経平均も大幅下落した。どちらも25日移動平均線を大幅に割り込んだ。大企業製造業の業況判断指数(DI)は+6で、15年12月調査(+12)から大きく悪化し市場予想(+8)をも下回った。大企業非製造業のDIはプラス22と好調だったが、プラス23と見ていた市場予想を下回った。先行きについても軒並み市場予想を下回り、警戒感が広がった。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が8カ月ぶりに50台を回復したが、それでも株価は反応せず沈んたままままとなった。今までは景況感が悪ければ経済対策の可能性も高まると期待されて来た。だが、本日の日銀短観を見る限りでは、政府の大規模な財政出動や消費増税の再延期、日銀の追加緩和を促すほど悪化したとは言えないという見方が強くなった。そのため、ある種の失望感が広がったかもしれない。16年度の収益計画では、大企業は2.0%の経常減益を見ているが、その前提となる想定為替レートは1ドル=117円台と、足元の実勢よりも5円も円安水準である。為替レートがさらに円高方向に動けば、減益率が拡大することなる。これらすべてが警戒感を高めた。もっとも、本日の大幅安は需給の悪さに主な原因がある。年金の動きを示す信託銀行は3月第4週まで18週連続で日本株を買い越しており、海外勢による日本株売りの受け皿になっていた。しかし、その主要な買い手が新年度に入ってピタリと買いをやめてしまった。さて、来週は切り返すだろうか?

TOPIX
-46 @1,301
日経平均 -594円
@16,164円

33業種すべてが下落した。下落率トップ5は、電気機器(1位)、電気・ガス(2位)、鉱業(3位)、機械(4位)、証券(5位)となった。


優利加さんのブログ一覧