緩和的な米金融政策が長引くとの思惑から米株式には買いが続き、昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +83.55 @17,716.66, NASDAQ
+22.67
@4,869.29)。ドル円為替レートは112円台前半の円高方向で推移。
本日の日本株全般は高く始まったものの、結局、続落した。東証1部では、上昇銘柄数が421に対して、下落銘柄数が1,449となった。騰落レシオは120.25%。東証1部の売買代金は2兆3073億円。
米国株の続伸を好感してTOPIXも日経平均も高く始まったが、大引けにかけて期末の持ち高調整の売りが出て急速に下げて終えた。25日移動平均線を僅かに割り込んだ。機関投資家が期末時点での運用成績を上げるために入れる「お化粧買い」もないまま取引を終えた。今日で2015年度が終わり、2012年度以来はじめて年度ベースで陰線となった。新興国経済も不調な中で、日本の輸出企業の業績を押し上げてきた円安効果が鈍化してきたので、予想増益率が1年前の15%増から5%増へ低下してきている。アベノミクスに対する信認低下から、外国人投資家は12週連続売り越している。
もう十分思い知らされたように、金融政策や財政政策だけでな持続的な株価上昇は不可能である。理論的にも現実的にも中長期的なEPSの成長がない限り株価の持続的上昇は期待できない。株式市場は、為替相場に振り回されず着実に利益を稼ぐため速やかな「選択と集中」を企業に求め始めている。例えば、観光やIT技術などを生かした成長戦略や、大胆な規制緩和による新産業の創出、或は独自技術や新製品の開発により円高にも負けずに利益成長を続けるように自ら構造改革するか、そのような企業を創出することだろう。
TOPIX
-9 @1,347
日経平均 -120円
@16,759円
33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、小売業(1位)、食料品(2位)、情報・通信(3位)、水産・農林業(4位)、医薬品(5位)となった。