【投資脳のつくり方】野村、765億円最終赤字

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下 晃伸(きのした てるのぶ)です。

●よいこと

今日は、いままで努力していたことがなんだったんだろう、
というほど呆気なく解決したことがありました。

スタッフと一緒に喜んだのですが、なにより一番嬉しいのは、
みんなでひとつのことに向かって頑張ってる空気だな、と思いました。

会社つくって、良かったな、と改めて思った日でした。



●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

本日もよろしくお願い申し上げます。

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【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】
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1.野村、765億円最終赤字

2.ソニー、純利益47%減

3.車世界販売 米国勢が後退 

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1.野村、765億円最終赤字

(出所)2008年7月30日付日本経済新聞朝刊1面他

 ●2008年4月-6月期連結決算は最終損益が765億円の赤字
 ●モノラインとの取引に関連して約630億円の損失を計上
 ●サブプライムローン問題は終焉

野村ホールディングスが29日発表した
2008年4月-6月期連結決算(米国会計基準)は、
最終損益が765億円の赤字(前年同期比は759億円の黒字)になった。
金融商品の値下がり分を肩代わりする欧米の金融保証会社(モノライン)
との取引に関連して約630億円の損失を計上したことが主因。

仲田執行役は「できる限り保守的な会計処理を実施した」と強調。
今回はモノラインから受け取る予定の保証金の総額に対し、
85%の損失を見込み処理したと説明した。

世界の金融機関を見ると、米証券大手メリルリンチが28日、
85億ドル(約9,000億円)の追加増資に踏み切った。
多額のサブプライム資産を抱えるシティグループなども
同様の対応を迫られそうだ。
最終的には公的資金導入も検討される可能性もある。

ただし、日本の金融機関においては、
欧米の信用不安とは一線を画していると考えるべきだ。
実際、野村ホールディングスの本日の株価は、
悪材料出尽くしで、プラスで終わっている。

たしかに、今後の米国景気悪化に伴う、リスク懸念はある。
しかし、「野村ですらこの程度」と考えるほうが妥当だ。
日本の金融機関にとっては、サブプライムローン問題は
終局に近づいていると見るべきではないか。


2.ソニー、純利益47%減

(出所)2008年7月30日付日本経済新聞朝刊3面

 ●ソニーは純利益が349億円と同47%減
 ●合弁会社のソニー・エリクソンが手がける携帯電話事業が誤算
 ●赤字事業改善への期待

ソニーと松下電気産業は29日、
2008年6月期の連結決算(米国会計基準)を発表した。
松下は薄型テレビの好調などで最終的なもうけを示す純利益が、
前年同期比86%増の730億円と6月期としては23年ぶりに過去最高を更新。
一方、ソニーは携帯電話の不振などが響き、純利益が349億円と同47%減。

ソニーの誤算となったのは合弁会社の
ソニー・エリクソンが手がける携帯電話事業。
欧州で主力の中上位機種が低迷し、
ソニーの連結決算にもたらす利益は前年同期の177億円から6億円に急減した。


しかし、過去を振り返ると、この下落は
大幅増益のチャンスがあるのではないかと予測できる。
なぜならソニーは業績が改善するタイミングでは、
松下よりパフォーマンスの向上を見込めるからだ。
具体的には、2006年末から2007年初にかけての株価推移に現れている。
2007年初の株価上昇は、それから1年後、
2008年3月期の業績が改善することを織り込んだ結果だ。

つまり、今回の業績見通しを修正したことで、これからの株価は
焦点を2010年3月期の1年半先を織り込んでいくことになる。
ソニーが投資家から見捨てられ、
再び復活した時期の成長幅を考えれば、2010年3月期には、
テレビ事業とプレイステーション3の赤字が改善し、
再び大幅増益になる可能性がある。
すぐにリターン見込めないかもしれない。
しかし、数年先を見越した投資によって大きなリターンが出てきたと考えたい。


3.車世界販売 米国勢が後退 

(出所)2008年7月30日付日本経済新聞朝刊11面

 ●自動車大手の2008年1−6月の世界販売台数がほぼ出そろった
 ●新興国で構成を強める独フォルクスワーゲンや韓国・現代自動車が躍進
 ●世界に目を向けると投資対象が広がる

自動車大手の2008年1−6月の世界販売台数がほぼ出そろった。
新興国で攻勢を強める独フォルクスワーゲン(VW)や
韓国・現代自動車が躍進した。
世界販売台数ランキング、前回4位のVWは、
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)で
軒並み新車販売を二ケタ伸ばし、前回3位のフォードを逆転した。
その成果は株価推移にも反映している。
VW株価推移(http://finance.google.com/finance?q=OTC:VLKAY) 

VWは投資対象として魅力的に映るが、
残念ながら日本からでは直接投資することができない。
日本の投資家は損をしている典型例だろう。

しかし、世界に目を向けるとどうだろうか。
ここでは現代自動車に注目したい。
中国、インドなどの新興市場の増加により、
2008年上半期販売台数で5位。
これは、6位のホンダ、7位の日産より上位に位置するレベルだ。
日本では、現代自動車の車をほとんど見かけない。
そのためホンダや日産よりも上位だということに
違和感を感じる方も多いだろう。
それは、現代自動車へ直接取材したことで、当然だと考えるようになった。


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( 文責:木下 晃伸 きのした てるのぶ )

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