先週金曜日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +218.18 @17,213.31, NASDAQ +86.31
@4,748.47)。ドル円為替レートは113円台後半。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,702に対して、下落銘柄数は177となった。騰落レシオは115.29%へ上昇した。東証1部の売買代金は2兆620億円と辛うじて2兆円台を維持した。
米国株の大幅上昇を受けて、TOPIXも日経平均も大幅上昇し、3月3日から続いていた保ち合いを上放れた。3月2日には既に10日及び25日移動平均線を回復していた(株価サイクル2)が、本日はまだ下向きだが60日移動平均線も回復した(株価サイクル3)。原油価格(WTI)は3月4日にWボトムのネックラインを上抜けし、且つ、下降トレンドラインを明確に上放れした。この変化も株価上昇を下支えしている。
TOPIX
+21 @1,380
日経平均 +295円
@17,234円
本日は金融株の上昇が目立った。背景はこうである。ECBは銀行が余剰資金をECBに預けた際に課すマイナス金利を現在の0.3%から0.4%に拡大したが、ドラギ総裁は追加利下げに否定的な立場をとった。さらに、量的金融緩和の買い入れ対象に社債も加え、ECBが銀行に貸し出す際の金利もマイナスになる可能性があると説明した。これにより銀行の収益悪化リスクが低下した。その結果、ドイツ銀行やモルガンスタンレー株など銀行株が大きく上昇した。
今週は本日から15日まで日銀の金融政策決定会合がある。追加金融緩和はないと見ているが、万が一実施したとしても、マイナス幅の拡大が小幅にとどまるなら、銀行収益への悪影響は限られる。金利が低下し難くなれば、保険会社の収益悪化懸念も和らぐ。こういう読みが保険会社株を押し上げた。さらに、15~16日はFOMCがある。3月利上げは見送りの見通しが大勢だが、もし、米景気の先行きに強気なメッセージが出てくれば、米金利は上昇し、それが保険会社の運用状況の改善期待につながる。日本の金利も連動して上昇するとすれば銀行の利ざが拡大するとの連想が働き、銀行株を押し上げた。
33業種中食料品を除く32業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、銀行(2位)、不動産(3位)、海運(4位)、小売(5位)となった。