NEWS ポストセブンが次のような記事を掲載。
3月1日(火)16時0分配信
ゾンビ企業は国家財政を悪化させるばかりか新興産業への資金投入を妨げ、経済を停滞させる。経済危機の昨今、韓国政府はようやくゾンビ企業を整理淘汰する方針を打ち出したが、再雇用の受け皿は用意していない。8万社の従業員が行き場をなくせば、未曾有の大混乱となるだろう。
大企業の減速と中小企業の低迷が韓国経済に与える影響は甚大だ。『朝鮮日報』によれば、韓国の全企業のほぼ4割を占める8万社が「ゾンビ企業」になっている。
ゾンビ企業とは営業利益で借金の利息を払えない企業のことだ。本業で稼いだカネをすべて借金の利息として支払ってもまだ足りないのだから、さらなる借金で延命するしかない。実質的な破綻企業といえる。
不況の韓国ではすでに空前のクビ切り旋風が吹き荒れている。今年1月1日から定年制が55歳から60歳に延長され、業績悪化にあえぐ大企業や金融業界が社員に「名誉退職」を勧めている。名誉退職とは名ばかりで実態は「強制退職」に他ならない。サムスンが6000人、銀行が2800人の整理を強行し、入社間もない20代の社員がリストラされるケースまである。
2015年3月に大卒の失業者が50万人を超え、硬直化した格差社会で若い世代は未来に希望を持てない。出生率は日本より低く、生産年齢人口(15歳~64歳)が減り続け、加速する高齢化が国の財政を圧迫する。生産性を上げようにも基盤技術がない。
それでも韓国は「中国がいるから大丈夫」と楽観していたが、輸出先の4分の1を占める中国経済が減速し、米国の利上げも加わってお先真っ暗だ。日本は1500兆円もの家計貯蓄が内需を支えるが、収入をすべて使いきる「浪費体質」が身についた韓国の家計債務は15年末の合計で123兆円に達し、爆発寸前の「時限爆弾」となっている。