「ドイツ銀行ショック」で世界中が株安に

優利加さん
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昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA -177.92 @16,027.05, NASDAQ -79.39
@4,283.75)。ドル円為替レートは114円台後半の円高方向へ大きく動いた。これらを嫌気して本日の日本株は全面安となった。東証1部では、上昇銘柄数が27に対して、下落銘柄数は1,904となった。騰落レシオは63.41%。東証1部の売買代金は3兆556億円。

海外の一部アナリストがドイツ銀行の高利回り永久劣後債(AT1)などの利払い能力に疑問を投げかけたことが引き金となり、ドイツ銀行の5年物CDSの保証料率が8日に2.3796%(先週末2.0150%)へ急上昇した。この「ドイツ銀行ショック」を受けて欧州銀行のCDSの保証料率は軒並み急上昇した。欧州発の信用不安が世界中に急拡大してきたため、投資家はリスク資産である株を売り、安全資産とされる国債を買う動きに走った。その結果、10年物日本国債(新発10年債、341回債)の利回りがマイナス0.035%になるほど国債価格が上がった。額面よりも高い価格(オーバーパー)で国債を市中銀行から買い続ければ、5~10年先の償還時には日銀に巨額の償還差損が発生して日銀が債務超過に陥る可能性が指摘されている。

原油安に加えて、欧州大手銀行の信用不安拡大を受けて、ダウ平均は一時400ドル超の下げとなるほど米国株式相場は大幅続落した。為替も114円台に入るほど円高となり、TOPIXも日経平均も大幅下落し1月21日安値更新に迫った。明日、この安値を更新するか否かが注目される。買い玉だけの片玉(デルタ=1)の人は苦しいだろうが、売り玉も混ぜている人(デルタ<1)は売り玉の買い戻しを検討するタイミングだろう。

TOPIX
-76 @1,304
日経平均 -919円
@16,085円

33業種すべてが下落した。下落率トップ5は、証券(1位)、銀行(2位)、海運(3位)、輸送用機器(4位)、パルプ・紙(5位)となった。


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