もちろん波乱の起点は世界経済の減速の中でのFRBの利上げであり、緩和から180度のベクトルの転換が行われリスクマネーが縮小方向に向かう一方で、世界経済の先行きが中国経済の減速や原油安からみて不透明であるために、さらにリスクオフが加速しているということなのだろう。為替ではドルも相対的に強いが、円がさらに強い展開になっており、円安頼みだった日本の企業業績は、苦しくなる。現段階でPERで安いからと言っても割安とはいえずなかなか買える環境にはない。
下げ止まり反転するためには何が必要か。黒田バズーカや財政出動、果ては消費税再延期などの政策対応がきっかけになる可能性もないわけではないが、中国や原油安にはまったく効果が期待できない。FRBが利上げを見送れば見送ったで、経済の先行きの弱気ととられる可能性もある。
八方手づまりの感が強いが、こういう総悲観の状況は、底入れが近い兆候でもあるのかもしれない。しかし落ちる短剣はつかめない。値ごろでかうな、ということを肝に銘じて下げ止まりのサインがでてくるまでは、様子見が必要だろうか。