乱高下は急落後の底値圏ではよくあること

優利加さん
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中国の景気減速懸念が蒸し返され、昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -364.81 @16,151.41, NASDAQ -159.85
@4,526.06)。ドル円為替レートは117円台半ばの円高方向へ動いた。本日の日本株全般は大きく反落した。東証1部では、上昇銘柄数が104に対して、下落銘柄数は1,795となった。騰落レシオは62.98%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆8562億円。

米国株の大幅下落と円高を受けて、さらに11月の機械受注が市場予想(7.8%減)を大きく下回る14.4%減となり、TOPIXも日経平均も大きく反落した。日経平均は一時17,000円を割り込んみ、9月29日の安値@16,901円目前まで下げる場面もあった。しかし、売買代金はそれほど増えていない。ということは、先物主導で売られたということだ。今日の反落で昨日の自律反発を完全に帳消しにした。ローソク足を見ると昨日は「たすき線」で反発し、今日は長い下ひげを引いた陰線で終えた。このような乱高下は想定の範囲内であり、2000年以降でも何度か似たような場面があった。底値圏では急落した後に急反発し、そのまま上に行くと見せかけておいてまた急落するというフェイントを何度かかけながら底値固めをするのが通常である。ただ、中国の景気減速懸念がもたらしているのは原油安だけではない。非鉄金属等、資源価格全般も大きく下げている。ニッケル価格が大きく下げて回復の見通しが立たない。遂に住友商事が2007年に投資したニッケルプロジェクトの減損処理に(770億円)追い込まれ、株価は急落した。他の総合商社も連想売を浴びた。リスク資産である株は売られる一方で、安全資産とされる日本国債が買われ、10年物国債の利回りは0.19%まで下げた。次はどんな悪材料が飛び出してくるか?原油安で困っているのは中東や南米の産油国だけではない。輸出収入の約4割を原油輸出に依存しているロシアは欧米諸国からウクライナ問題で経済制裁を受けており、ダブルパンチで苦境に立たされている。ルーブルは2014年1月初旬には33ルーブル/US$だったのが、14日には77ルーブル/US$までルーブル安が進行している。98年のロシア財政危機の時のようにルーブル安と資本逃避によりデフォルト宣言に追い込まれるというのが1年以内に起こりそうな悪材料だ。

TOPIX
-36 @1,407
日経平均 -475円
@17,241円

33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、卸売(2位)、医薬品(3位)、機械(4位)、水産・農林(5位)となった。


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