相場の格言で申(さる)年は騒ぐと言われているが、まさにその通りの船出となった。米国株式相場は12月30日、31日と続落して地合いが悪いところへ、英国マークイットが算出している中国PMI(製造業購買担当者景気指数)が市場予想の48.9を下回り48.2となったことで、中国の景気減速懸念が再燃してきた。また、中国上海総合指数は一時7%安まで下落し、中国では導入されたばかりのCB(サーキットブレーカー)が発動され、取引停止となった。さらに、地政学リスクまで飛び出してきた。スンニ派のサウジアラビアがテロリストとしてシーア派指導者を処刑したことから対立が激化してシーア派のイランと外交断絶をした。この対立は原油相場に少なからず影響を与えるはずだ。そして今夜になったら、バーレンとスーダンもイランと外交断交を発表するに至った。長年、中東でアンカーの役割を果たしてきた米国の影響力が低下していることも原因の一つだろう。喜ぶのはISとロシアだ。
ということで、本日の日本株全般は全面安となった。東証1部では、上昇銘柄数が170に対して、下落銘柄数は1,712となった。騰落レシオは77.16%へ低下した。東証1部の売買代金は2兆2653億円。
米国株安、中国の景気減速懸念、中東の地政学リスク急騰など、悪材料がそろい踏みした結果、TOPIXも日経平均も大幅下落した。TOPIXは12月15日安値を割り込んでいないが、日経平均は同安値を割り込んだ。現在(1月5日 1:15)、米国株式相場も大幅続落しているが(DJIA
-450, NASDAQ
-150)、日本株は先取りして本日大きく下げたので、通常なら明日はそれほど下げないのではないかと予想するが、果たしてどう反応するか?それにしても、「申(さる)年は騒ぐ」の通りとなった。日本企業の16年3月期は2桁増益と予想されているが、17年3月期は1桁台に伸び率は鈍化する可能性が高い。なぜなら、原油安と円安がもたらす恩恵のペースはほぼ確実に落ちるからだ。したがって、日本株は昨年まで4年連続で上昇したが、もう今年は全体が上げることはないだろう。個別銘柄の厳選がますます重要となってくる。ど~んと下げろ!いいものだけ拾って気長に待ってあげるから。
TOPIX
-38 @1,510
日経平均 -583円
@18,451円
33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、食料品(1位)、化学(2位)、輸送用機器(3位)、倉庫・運輸(4位)、ゴム製品(5位)となった。