昨日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +192.71 @17,720.98, NASDAQ +66.95
@5,107.95)。ドル円為替レートは120円台前半。本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,207に対して、下落銘柄数は597となった。騰落レシオは79.80%。東証1部の売買代金は1兆6505億円。
米国株の大幅上昇を受けて、TOPIXも日経平均も3日続伸したが、どちらも短陰線で終えており、上値は重い印象を受ける。週足で日経平均のチャートを見てみると、2012年10月中旬の安値と2014年10月中旬の安値を結んだ中長期上昇トレンドラインは崩れておらず、高値圏での三角保ち合いを形成中である。もし、この上昇トレンドラインを割り込むようになれば、相場全体の潮目が変わったと疑い、買いポジションは一旦手仕舞いするか、全つなぎとしたい。来年年央には参議院選挙があるので、それまでは政策出動期待で下支えされるだろうが、その先が問題である。17年4月には消費税が現在の8%から10%へ引き上げられるが、これは非常に高い確率で(経済学のIS-LM曲線で考えるとIS曲線を左シフトさせるので)景気を押し下げる。買いの片玉で儲けられる時期はそう長くはないだろう。また、海外に目を転じれば、原油価格の下落でサウジアラビアをはじめとする産油国の財政状態は非常に悪化しており、オイルマネーが日本株もさらに売り越すシナリオも十分に考えられる。米国の利上げはゆっくりと実施されるだろうが、それでも高い金利を求めて着実に新興国からマネーが米国へ還流し、同時にドル高・新興国通貨安を促す。新興国にとっては資源価格安により収入が大幅減少しているところへ、米国ドル建て債務の自国通貨建て換算の金額がどんどん膨張している。一番心配しているのは、サウジアラビアの政治体制が維持できなくなり、王政が崩壊の危機に追い込まれることだ。杞憂であればよいが。
TOPIX +4
@1,547
日経平均 +51円
@19,034円
33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、食料品(2位)、小売(3位)、陸運(4位)、精密(5位)となった。