12月20日 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。 たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人のすまひは、世々経て尽きせぬものなれどこれをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕べに生まるるならひただ水のあわにぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりていづかたへか去る。また知らず、仮の宿りたがためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その、あるじとすみかと、無常を争ふさまいはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕べを待つことなし。(鴨長明 方丈記より)なぜ、方丈記をここに紹介したのか・・・?・・・いずれ判る時が来るでしょう。ではまた明日┏○ペコ