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原油、リーマン安値接近で「買い場」の株
原油、リーマン安値接近で「買い場」の株
東京市場、今後の見通しと訪れたチャンス
9日の東京株式市場は、前日の海外株安を引き継ぐかたちで売り優勢に傾き、日経平均は大幅続落で一時1万9200円台まで水準を切り下げた。長期波動の分水嶺として意識されていた200日移動平均線(8日時点で1万9479円)を11月初旬以来、約1ヵ月ぶりに大きく下回ってきたこともあって、ここまでマーケットの大勢を占めていた強気見解も後退を余儀なくされている。
株価下落の元凶となっているのは、ここ下げ足を強めている原油市況だ。北米指標であるWTI原油先物価格は8日に一時1バレル=37ドル台を割り込むなど約7年ぶりの安値圏に沈んでいる。7年前といえば、100年に一度の金融危機といわれたリーマン・ショックがあった2008年。この年の12月と翌09年2月にWTI原油価格は33ドル台まで売り込まれた経緯がある。現在の原油価格は、あらゆるリスクアセットの叩き売りとなった当時の下限ラインをブレークすることも想定され得る局面だ。
●原油安の影響と反騰のタイミング
元来、原油安は商社やエネルギー関連セクターなどを除き、企業収益にはコスト低下要因としてポジティブ材料だが、足元は原油安の背景にある中国景気の減速や世界マネーのリスクオフの流れを現象面から懸念視する動きが強い。米国利上げを控え、米国へのレパトリエーション(資金回帰)による新興国通貨や新興国経済に与える影響も、原油安にオーバーラップして、株価の先高シナリオに影を落とし始めている。
市場関係者も現在の原油価格の裏側に潜む波乱要素に警戒感を強めている。「資源国の経済に与えるダメージや、エネルギー関連企業への収益デメリットが懸念されるが、それだけではない。サウジアラビアの政府系ファンドなどが原油価格下落による財政悪化の埋め合わせに保有株をなし崩し的に売却する動きをみせており、これが株式市場にとって大きな下方リスクとなっている」(松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)という。特に、負の連鎖を拡大させる発端となったのが、今月3日のECB(欧州中央銀行)理事会で決定した追加緩和が市場期待に届かなかったことで、「金融緩和期待がしぼんだことが、投機筋による原油先物へのショートポジションを高める動きを誘発した」(同)と指摘する。
ただし、悲観が一様に高まったかというと決してそうではない。一つの転機となるのが来週15、16日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)が大方の予想通り利上げを決めれば、窪田氏は「目先材料出尽くしでドル買いが一服し、ドル高・原油安の構図にも歯止めがかかるとみている」という見方を示す。ショートポジションを積み上げたヘッジファンドなどの買い戻しも想定されることから、原油価格の想定以上のリバウンドを促す可能性があり、株式市場においても“逆襲高”のチャンスにつながる。窪田氏は年内の日経平均2万円は遠くなった印象としながらも、FOMC通過後は過度な下値リスク不安からは解放され相場は戻り歩調に転じるとみている。
●自動車と消費関連にフォローの風
では、今の調整局面で何を拾うべきか。ひとつのヒントとなるのが、9日の東京市場でのトヨタ の動きだ。主力銘柄に売り圧力が強いなか、同社株は前日比144円高の7745円まで買われる場面があった。自動車業界にとって原油市況の下落は円安と合わせコスト採算を高める効果が見込まれる。また、ガソリン価格低下が米国を中心に一段の販売拡大を後押しする。収益面でのプラス項目の多さに着目すれば、ずばり自動車セクターは買い場となる。JAL など空運も原燃料費の低下を買い材料に原油価格と株価が強い逆相関関係にあることで知られている。このほか電力株なども原油安でメリットが意識される業態だ。
また、「原油安は、中期的には中国経済の減速懸念で売られた消費関連株(インバウンド関連)にも見直し余地が生じる」と指摘するのは第一生命経済研究所主任エコノミストの桂畑誠治氏だ。
桂畑氏は「原油は先のOPEC(石油輸出国機構)総会でも明らかとなったように、お互いの思惑で減産合意が難しい。これは、エネルギー効率の向上や代替エネルギーの普及で構造的に原油価格には下方圧力が強く、減産した分だけ損をするという認識が底流していることも影響している」と指摘、中期的にも原油価格の反騰余地は限定的であるという見解を示している。
そのなか、原油価格の低位安定は先進国にとって消費需要の押し上げ効果を継続的にもたらすことで、中長期にわたり実態面への追い風が消費関連セクターに及ぶ。日本では、政府のプロモーション効果もあって、中国の経済指標などに関係なく訪日外客数の拡大に陰りは見られない。思惑先行で売り込まれた銘柄も
多いだけに反騰余地は大きい。高島屋 などの百貨店や、サンドラッグ 、マツキヨHD などのドラッグストア、このほか、すかいらーく などの外食産業にも上値がありそうだ。
株探ニュスより
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