「ふるさと納税した?」
「してないわよ。だって、税金納めてないから、お金戻ってこないじゃん」
「税金納めてないったって、配当金をもらっているんじゃないの」
「そうよ、だから?」
「配当金もらっているなら、20%の配当税を払っているよ。源泉徴収で引かれているから、あまり気にしてないかもしれないけど……」
「もし、年に10万円配当金もらっているとしたら、2万円の税金を納めていることになるよ。このうち、15%分は国税で、5%分は住民税だから、ふるさと納税で5千円分は戻ってくるよ」
「へ~、そうなの」
「ふるさと納税という名称だけど、税法上は寄付行為で、支払った所得税や住民税から、2,000円分の自己負担を除いた分だけ控除される仕組みになっているんだよ……」
「どのくらい戻ってくるかは、家族構成やそのほかの収入によって変わってくるけれど、ふるさと納税分が住民税の範囲内なら、『お礼分』を含めて、ほぼ全額戻ってくるんじゃないかな……」
「戻り分は、余禄(ヨロク)と考えて、送り先の自治体からの『お礼』に期待して、納税する人も多いようだよ。好きなものが選べるし、自治体によっては、納税分の半分以上をお礼にするところもあるみたいだし」
「へ~、そうなの。それでお父さんは、もう申し込んだ?」
「去年は、住民税や保険料の負担を考えて、配当金の還付もふるさと納税もしなかったけど、今年は総合的に判断するよ。なにしろ、源泉でとられた分が20%もあるので、けっこうな金額になるからね」
「へ~、そうなの。それで『お礼』をどうするのよ」
「食べきれないから、あなたたちにあげるよ」
「やった!!」
ふるさと納税に絡んだ父娘の会話です。