アップルが3年後に、スマホの液晶パネルを有機ELに替えるそうです。このニュースのおかげで金曜日の市場は、20,000円を超えられませんでした。
市場では液晶パネル関連を売り、有機EL関連の発掘に血眼(ちまなこ)になっています。日本では、技術、産業ともすでに過去のものとなっている液晶パネルですが、フィルム、バックライト、ガラス関係などは、輸出でガッチリ稼いでいましたから、ニュースの影響は無視できません。
私は、なぜアップルが液晶から有機ELに替えたかに関心があります。スマホが売れなくなったからではないかと……。
スマホは、ここ2~3年の世界の市場を引っ張ってきた産業です。スマホが文化や生活方法まで変えてしまいました。それが売れなくなったのでしょうか。
有機ELは、バックライト不要で曲面になり、消費電力量やデザインの面で革新的な素材には違いありませんが、それだけでスマホそのものの需要が拡大するものとは思えません。
日本では、大きく報道されましたが、恩恵を受けるはずの韓国の新聞には、このニュースはなく、逆に中国市場は、5.5%の大幅な下げになってしまいました。新規需要よりも、大規模な液晶製造設備の廃棄コストの負担を嫌気したものと思われます。太陽光パネルの悪夢がよみがえったのでしょう。
有機EL化は、世界の産業構造を変える大きなニュースではありますが、基本的な技術さえ確保していれば、製造にこだわる必要はないのでは。韓国や中国で製造した安いパネルを持ち込んで、使いやすいテレビを作ればいいだけです。
ただ、アベノミクス第2幕に入り、買われる銘柄に変化が起きています。潮目の変化には十分注意する必要があります。
有機EL関連には、今まで買われていない魅力はありますが、万年低収益の「ぼろ株」の多いのも特徴です。なにしろ、情報関連の製品やシステムは、変化が早すぎます。慌てて飛び乗るより、じっくり構えたいものです。
「海見てるけど、潮目なんか変わっていないわよ!」
「赤いツッポのヤンシュウが騒いでいるよ……、ニシンが来るよ!」
「演歌の聴きすぎよ」