18日のNYダウは、49.91ドル(0.44%)高の1万1496.57ドル。シテイの赤字が予想より小幅で底堅かったことで、一安心というところだろうか。しかしグーグルやマイクロソフトが増益だったのに、予想よりさえなかったということでハイテクが下落した。ダウの現在の水準は、ちょうど月足雲の上限、遅行線が日々線と衝突するところで反発した形である。ここでとまってくれるかどうかはまだ明確とはいえない。月足のRCIは底を張っていて、このへんでとまってくれそうな期待をもたせるものの、月足MACDはゼロラインに近づきつつあり、ゼロラインをもし割れば03年以来ということになり、調整は長期にわたることになるだろう。週足でみると、先週は久々の大きな陽線で下ひげもつけており、週足のRCIも底に達しており、このあたりでさしあたりは一服という感じであるが、5月からの下げのトレンドラインを引くと、ちょうど、そこで頭をおさえられていることがわかる。これ以上上にいかなければ、週足レベルでも、下げのトレンドラインは継続中ということになるだろう。金融不安、インフレ警戒、景気後退懸念という黒い雲がまだすっきりはれないので、頭が重いのであろうか。
しかし先行きを不安にさせていたWTI原油は、月足ではまだはっきりと下落にかわったとは言いがたいものの、目先6月の高値をぬけずにさげているので、今月急速な反発がなければ、当面の高値が構成されたことにはなるだろう。週足では、転換線134.05を割り込んで より明確に下げ基調になっている。転換線をまたぐのは08年2月以来であり、週足RCIも天井からようやく離れつつあり、MACDもシグナルを切ってきており、まだ上昇基調そのものは完全に終わったとはいえないかもしれないが、上昇のトレンドラインは切っているので、08年2月以来の急騰相場は終焉を迎えたのかもしれない。
アメリカの10年もの国債は、しばらく下げていたが、再び上げに転じるという微妙な動きである。週足でみると基準線3.795に二回タッチして、反発し、転換線4.024を超して、4.124%の雲の下限まであげていている。目先の下げトレンドは上抜けたものの、雲の中に入って6月の高値4.267%を超える勢いがあるかどうかが問題だ。週足のRCIは天井をつけてへたってきている一方、週足MADはゼロラインを超してきているので判断が難しい。ただ月足をみると上昇のトレンドは維持しており、月足RCIも急角度で上昇しているので、中期的には金利は上昇していく気配ではなかろうか。
原油が下落しインフレ懸念が緩和され、アメリカの金利が次第に上昇してゆくということならば、ドル円も次第にドル高になっていって不思議ではない。ドル円相場は、月足で見ると、3月の95円のドル安のボトムから上昇トレンドを維持しており、現在105.75近辺で攻防しているが月足のRCIは上昇し続けており、月足チャートからすると、まだドル高基調である。週足でも、転換線が基準線を上抜け、日々線も転換線の上にあるとはいえ、目先は6月の108.5を高値として、これを超えられないでいる。週足のRCIは天井をうっており、ここで当面頭をうち、しばらく横ばいになる可能性もある。
というわけで肝心の日経平均だが、NYが木曜日大きく上げたにもかかわらず、金曜日の日経平均は84円安。アメリカの金融機関の決算をみたいという模様眺めということであろうか。週足では、転換線、基準線の下、RCIも下げており、下げ継続の形である。月足でみると、3月以降、雲の上限にそってあげてきたが、6月に転換線で押しもどされて下落、雲の下限にきて、ようやく踏ん張っているという姿である。大きな節目であることは間違いないが、このあたりで二番底となるかどうかまだ確実にいえないし、週足では安値をきり続けているので下げ止まったという保障もまだない。月足のMACDもゼロラインをわりこんできているので、底を入れたとしても、調整は長引く可能性がある。日足でみると、転換線のところで抑えられており、自律反発の域をでていない。原油の下げ、米金利の上昇が、ダウの底打ちにつながってくれば、日経平均もすこしはっきりするのだが・・・