ハリケーン・パトリシアの赤外画像。NOAA/NASA RAMMB/CIRA
観測史上最強ハリケーン発生!
綺麗な薔薇にはとげがあるとはよく言ったもので、綺麗な名前の嵐にも、十分用心しなくてはいけません。ハリケーン・パトリシアは、その可憐な名前とは裏腹に、観測史上最も強いハリケーンへと成長しました。
NOAA日本時間24日00時点の中心気圧は880hPa、これは過去の東部太平洋で発生したハリケーンの中で、最も低い記録です。これまで、地球上で最も気圧が低かったのは、昭和54年・台風20号(国際名:チップ)の870hPaですが、この台風は最盛期には海上にありました。すなわちパトリシアは、いまだかつてない勢力で陸に到達する恐れがあるのです。
メキシコの西岸沖の海水温は平年より高く、30度以上ある。NOAAパトリシアの最大瞬間風速は110メートル(日本時間24日00時点)です。風速110メートルといえば、2013年にフィリピンを襲った台風ハイエン(ピーク時100メートル)すらも上回る勢力です。また竜巻ならば、上から2番目に強い「F4:激烈な竜巻」に匹敵します。このハリケーンはむしろ、非常に巨大な竜巻と想像してもいいのかもしれません。