分析・最適化 其の2

WEBさん
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検証を行うにあたり設定すべき条件の中で

・ストップロス率
・リスク率

を決定することは個人的に非常に重要な部分であると考えています。
私の持っている参考書では
ストップロス=直近3期間の値幅*ストップロス率
建玉数=購買力*リスク率/最大損失額(=ストップロス)
となっています。

例えばストップロス率50%、リスク率10%、直近3期間の値幅が100円で購買力が100万だとすると、
ストップロス=100*0.5=50
建玉数=100万*0.1/50=2000
となり2000株購入することになります。

この条件で建玉数を決める場合に問題となるのが、株価がいくらの株を購入するのか?に言及していない点でしょう。例えば株価1000円だとすれば、1000*2000=200万となり、購買力100万を超えてしまっています。
では、どの値を直せば建玉数を減らせるのでしょうか?

建玉数の式を見ると、リスク率を小さくするか、ストップロスを大きく、つまりストップロス率を大きくするかだと分かります。

ここで問題となるのが、どちらをどれだけ変化させたらよいか?でしょう。そこで両者の意味合いをもう少し詳しく見ると、ストップロスは購入価格が1000円だとしてストップロスが50だった場合、950円まで下がったら損切りをするという損切りラインに用いられると記憶しています。

この値を小さくするということはつまりすぐに損切りに引っかかってしまうので、損失は抑えられますが、勝率が下がるでしょう。(勝率が下がるからといって期待収益が必ず下がるわけではありません。)
個人的な感性で5%くらいの下げ(1000円→950円)なら許容できそうと判断するなら、ストップロス率はこのままです。
すると、リスク率を減らそうとなり、リスク率2%で再計算すると
建玉数=100万*0.02/50=400
400株*1000円=40万円での投資になりました。

更にこれらの関係を詳しく見ていくと、
40万円の投資でストップロスに引っかかった場合の損失は
(1000-950)*400株=2万円です。

「もう少し損切りラインを緩和させてもいいかな?」と思うならばストップロス率を大きく設定しなおします。
今度はストップロス率を60%にした場合、
ストップロス=100*0.6=60
建玉数=100万*0.02/60=333
最低購入株数(単元株)が100株だとすれば300株の購入です。
300株*1000円=30万です。ストップロスに引っかかった場合は(1000-940)*300=1万8000円
と、前の2万よりも値が小さくなりました。
こちらの方がストップロスに引っかかりづらいので勝率は上がるはずです。にもかかわらず負け額も小さいのです。これは勝った場合に400株のほうが勝ち額が多いという部分で優位性が相殺されます。

言い換えると、前者よりも後者のほうがリスクが小さい売買と言えるでしょう。
このように一見、ストップロスの許容範囲を広く許容すればその分リスクも大きくなるはず、と思われる部分でさえ、建玉数の決定式次第で、全く逆の結果になってしまうのです。

今回の式では恐らく、リスクに関連する部分はリスク率のみでしょう。しかし今回の例で見たように、特にボラティリティが低い相場の場合、株価に関係なく建玉数を決定するために、購入限度額以上のもしくは購入額ギリギリまで買ってしまうのです。株の買いならまだしも保証金取引の場合は注意が必要になりそうです。
この問題点は許容するか、リスク率を低く設定するか、違う建玉数決定式を採用するか、決める必要がありそうです。

これらは分析・最適化を行うに当たり考慮すべき点の重要な部分ですが、それ以外にも考慮すべき点は山ほどあります。
なので、半月くらいで最適な売買条件を決められるだろうと思っていましたが、半年はかかりそうです。


というか色々やってきて完璧な売買条件など存在しないことが分かりました。
重点をおくべきは「完璧な売買条件」ではなく、「よりよい売買条件を精度よく模索可能なシステム作り」でした。これがなかなか難しいのです。

次回からは参考書に載っていない重要なシステムを増やしていく予定で、それには結構な時間がかかりそうなので、更新は遅れがちになります。
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