yuhsanさんのブログ
アベノミクスのウィナー
アベノミクスが始まって3年になります。
この間に、指数はほぼ倍になっています。2012年の終わりころから株式投資をしていれば、この間に何もしなくても、投資資産は倍になっているはずです。
日経225のETFを買って持ち続けていれば、確実に資産倍増です。
アベノミクス相場では、日本株をやっている人は、みな儲かっているのです。
アベノミクス相場では、ルーザーがいないのです。
「それじゃ、ETFを買えばいいというのですか?」
「お前の投資法では、ETFなんて猫が買うもんだ、っていっていたではないですか」
「なにをいってもいいとはいえ、あまりにも無責任だ!」
「待ってくださいよ。まあまあ、聞いてください」
問題は、誰がウィナーかということです。
確かに、アベノミクスの初期から株を始めていれば、儲かっています。儲かった人がウィナーならば、みなウィナーです。
でも、金融資産合計で見たらどうでしょう。この間に、金融資産合計を倍にした人だけが、ウィナーだとしたら……。というのも、金融資産1億円以上を富裕層と定義しているので、どれだけ富裕層に近づいたかは、株式だけではなく金融資産全体で見なければならないからです。
おそらく、半数以上の人が、ウィナーではなくなりそうです。私の見立てでは、ウィナーは10%程度です。ウィナーでも、名乗りを上げる人がいなければ、私の見立てが唯一の確定数字になってしまいます。
理由は数えきれないくらいあります。
おそらく株をやっておられる方(特にアベノミクス初期に)が、初めから富裕層で株式投資の値上がりの影響が少ないか、分散投資で日本株以外の金融商品で資産の運用を図っていたのか、現金保有期間が長く株式投資に関心が低かったか、株を資産運用以外の目的で所有しているとか、資産家が自己資産の開示を拒む傾向があるとか、などなど。
これ以外にも、昭和バブルの後遺症、デフレ経済の下で現金保有の優位性、株式投資を不労所得とする風潮、富裕層が老齢化し現金に執着していることなどなど、あげれば1冊の本が書けるくらいあります。
これを書いている私ですら、アベノミクス相場で金融資産を倍にしたものの、あの昭和バブルで稼いだ資産には到底届いていません。それでも、今回のアベノミクス相場では、10%程度と思われる勝ち組に入っています。
理由は、金融資産の全部を国内株式につぎ込み、現金保有がほとんどゼロだったからです。もちろん、外国債やFX、商品市場などの金融資産に目を向けることはありません。
利殖にはリスクが伴います。お金(金融資産)を増やすのには、大金をつぎ込まないとできません。ただ大金を動かすことのできるのは、ある程度の余裕が必要です。その時期は退職後では遅すぎます。退職前にぜひ大金(株式資産)を準備しておくことです。
金融資産を預かる銀行や、投資家の利殖を目標としている証券会社は、資産の運用にはバランスが必要と説いています。私の投資法では、金融資産のほとんどを国内株式にして保有し、バランスは保有する株式の所有割合(ポートフォリオ)でとるようにしています。
もちろん、金融資産の全部を国内株に投資する方法だけが、アベノミクス相場のウィナーではありません。ほかの利殖法と組み合わせれば、もっと儲かっていたかもしれません。この3年間で金融資産を倍以上にした人はたくさんいます。日本の富裕層は、アベノミクスにより大幅に増加しています。
私もアベノミクスのウィナーには違いありませんが、ここまで来るのには40年もかかっているのです。この間、退職金をつぎ込み、株の資産を増やす会社まで設立し、倒産させています。ただ、投資に伴うリスクと配当金による収入を考えると、老後の豊かな生活をするには、株式投資が最も優れているという信念に変わりありません。
どのような方法であれ、ウィナーにならなくては、努力の甲斐がありません。結果が伴わない理論では、投資の世界で通用しないのです。
アベノミクスの初期に金融資産の全部をETFにつぎ込んだ人と、同じ結果だといわれればそれまでですが、当時そのような行動をとった人はいなかったことを考えると、私の投資法が間違えだったとは思っていません。誰も考えつかないような投資法は、リスクが高く、1万円の宝くじを買い1億円に増やすのと、あまり違わないような気がしますが。
投資を短期で考えると、発想は、つい「宝くじ投資法」になってしまします。
株式等には時間が必要です。時間を味方につければ、投資に対する収益という点では、株式投資は、ほかのどの利殖法よりも「割がいい」のです。そのうえ、理論的なゲームとしての楽しさもあり、結果がわかりやすいため理論の修正が容易です。
株式投資は、45歳までに「蓄え」、65歳までに「増やし」、退職後は、増やしたお金で「遊ぶ」ことが、生涯投資の基本です。